週末の過ごし方
WBCで躍動する侍ジャパンがまとうのは
ユニクロの感動ジャケット&感動パンツ
世界の“UNIQLO”から目が離せない。
2023.03.17
業界人で「ユニクロは着ない」と言う人は多い。その気持ちわからなくもない。筆者もそうだったから。しかしながら、あれだけの品質の服をあの価格で全国どこでも買える『ユニクロ』には、ハイ、素直に降参しました(だからといって「ユニバレしない着こなし術」なんてことを書いてるファッションブロガーのハウツー本は死んでも読まないが)。
特にクリエイティブディレクターに元ポパイ編集長の木下孝浩氏が就任してからのユニクロは、ファストファッションのイメージを刷新して、「LifeWear」というコンセプトで、がぜん面白くなってきた。もう単なるファッションのブランドではなく、今や『UNIQLO』は日本を代表するグローバルブランドだ。
木下氏がクリエイティブディレクターに就任したとき、「ポパイでスナップをすると、みんなユニクロを着ている。特に若い子や海外の人々はユニクロをすごくポジティブに着こなしていて、時代の変わり目なんだなと感じていた。かつて日本人や若い子は洋服にお金をかける人が多かったが、ファッションも好きだしオシャレも好きだけど、それだけが全てじゃないという人々が増えている。多分、欧米のほうがその感覚が強い。そういう人たちが選ぶのがユニクロで、いいブランドなんだろうな」と語っている。
確かに海外でUNIQLOの店に入ったり、インスタグラムでコムデギャルソンやエンジニアドガーメンツにUNIQLOをさらりと合わせている海外のセレクトショップのスタッフの着こなしをみると、つくづくそう思う。
そんな今のUNIQLOを象徴しているのが、各店舗に置いているフリーマガジンの『LifeWearMagazine』だろう。ファッション誌をはじめ紙媒体は軒並み瀕死の状況というこの時代に、ファッションディレクターにスタイリストの長谷川昭雄氏を起用して、お金も時間もかけて丁寧にぜいたくに作っている。このクオリティーで無料のフリーマガジンというのだからすごい。
WBCでも、UNIQLOは日本代表の「侍ジャパン」のオフィシャルサプライヤーとして、選手をはじめ監督や関係者が着用するウエアを提供している。メインアイテムはネイビーとダークグレーを基調としたストレッチ機能の高い「感動ジャケット」と「感動パンツ」だ。タイドアップしてUNIQLOを着こなす村上宗隆選手をはじめ侍ジャパンの若手選手たちが、CGを駆使して世界の摩天楼を舞台にプレーするWebで公開されたCMは圧巻である。
プライベートジェット機で帰国して合流するなり、強化試合の阪神戦で本塁打をぶちかました大谷翔平選手のタイドアップスタイルもぜひ見てみたい。ブランドも値段も関係なくポシティブにUNIQLOを着こなす大リーガーOHTANIを見たら、ユニクロを着ない業界人も素直にもう降参するしかないでしょう。
Text:Atsushi Ide