週末の過ごし方
『セックス・エデュケーション』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #44
2023.03.30
青春ドラマは、ティーンだけのものではない。大人だって大好きなんだ。タイトルを直訳すると「性教育」とかなりインパクトのあるこの青春ドラマは、“性”に目覚めたティーンエイジャーたちの“性”に対する悩みを中心に描いた学園コメディドラマ。
主人公オーティスは、セックス・セラピストの母親と二人暮らし。まだセックスの経験はないが、家中にあふれている性に関するオブジェや専門書のおかげか、性の知識だけは豊富な高校生。なるべく教室の隅で、目立たず高校生活を過ごしていきたいと願っていたオーティスだが、ひょんなきっかけで生徒たちの“セックス・セラピスト”として、ビジネスを始めることになってしまった。 目立たなかった存在から、一躍注目される存在となったオーティスは、生徒たちの直面している問題に望まずとも巻き込まれていく……。
オーティスに相談する生徒たちは、「彼氏に裸を見られたくない」「セックスしてても最後までいかない」「ゲイのセックスの仕方がわからない」「セックスフレンドから恋人になるには?」「オーラルセックスが苦手」など、誰もが一度は悩んだことのあるような悩みを抱える。ネットで調べれば、いくらか答えが出るのかもしれないが、オーティスのセラピーは、同じ目線で寄り添い、その人の経験や環境を理解し、解決方法を互いに探っていく。
彼の他人への接し方を見ていると、人の気持ちを考え、思いやる気持ちがどれだけ大切なのかを気づかせてくれる。ドラマでは、性の悩みと共に、アイデンティティーの模索、性被害や複雑な家庭環境など、ダークで 大げさに描かれそうなテーマを、コミカルに、時に感動的に、ユーモアを失わず描いてくれるからありがたい。決してその問題を軽視せず、生徒たちが、生徒たちの力で答えを模索し、団結し、向き合っていくのだ。