スーツ

スーツの装い。
My Rule10
【HOW TO DRESS/後編】

2023.04.10

ビジネススタイルが多様化するなか、スーツの価値が
再評価されている。着こなしは自分なりのルールを設けて主体的に。
普遍と革新のはざまでスーツの新章が幕を開ける。

My Rule06
Tシャツはネックで選ぶ

写真・図版
軽やかに仕立てた「スチュアート トラベラー」のセットアップは清涼感が高く、シワになりにくいポーラと呼ばれる強撚糸の生地を採用。ジャケット¥69,300、Tシャツ¥11,000、パンツ¥36,300/すべてポール・スチュアート(ポール・スチュアート 青山本店 03-6384-5763)、眼鏡¥34,540/オリバーピープルズ(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス 0120-990-307)、時計¥825,000/グランドセイコー(セイコーウオッチ お客様相談室 0120-061-012

スーツにTシャツという着こなしを目にする機会が増えた。ビジネススタイルの多様化の顕著な例だ。しかし、かつてクールビズ初期がそうであったように、ネクタイを外しただけでは不格好。インナーをTシャツにするならば、スーツ専用を選ぶことで確かな差が生まれる。ポイントはTシャツの後ろ襟がジャケットの外に出ていること。これには見た目のバランスはもちろん、皮脂汚れを防ぐ利点もある。

My Rule07
デート用のタイはグリーン

写真・図版
モダンなシルエットを描く「ソーホー」フィットのスーツ。イタリアを代表する生地メーカー、レダのファブリックを採用し、自然な光沢やなめらかな手触りが上質さを表す。控えめに配したチェック柄が洒脱。スーツ¥121,000、シャツ¥26,400、タイ¥15,400/すべてポール・スミス(ポール・スミス リミテッド 03-3478-5600

スーツが人柄を示すツールとなることはビジネス最前線に限ったことではない。例えば、 仕事帰りのデート。信頼に値する誠実さはもちろん、色気という面でも貢献度が高い。そして、ポイントを稼ぐコツはネクタイにある。おすすめはグリーン系。ファッション業界におけるいわゆる流行色なのだが、理由はそれだけではなく、新緑を思わせる春らしいフレッシュさにある。費用対効果はきっと抜群。

My Rule08
コートは軽やかトレンチ

写真・図版
南イタリアのアウター専業ブランド、イーヴォにディスティンクション メンズビギが別注したトレンチコート。コットン×ポリエステルのとても軽やかな生地で、ゆとりのあるシルエットによってふんわりと軽やかにはおることができる。¥110,000/イーヴォ×ディスティンクション メンズビギ(メンズビギ 03-5428-0378

肌寒さが残る時期に必要となるのがスプリングコート。かっちりとタイドアップした着こなしの日もあれば、肩の力を抜いてセットアップにTシャツといった日もある。ビジネススタイルのバリエーションごとにコートをそろえるのは現実的ではない。そこでおすすめしたいのが、普遍的なトレンチコートのデザインと今どきのオーバーサイズ感を両立した一着。コートは万能型で着まわすのもマイルール。

My Rule09
新三種の神器はニットポロ・バックパック・スニーカー

写真・図版
コットンのニットポロは製品染めによる奥行きのある色彩で、ラグランスリーブを採用。バックパックは型押しレザーとナイロンツイルのコンビネーション。パラブーツから新登場したレザースニーカーはソール交換できる利点を持つ。ポロシャツ¥38,500/グラン サッソ(エスディーアイ 03-6721-1070)、バッグ¥199,100/セラピアン(リシュモン ジャパン セラピアン 03-4461-8340)、シューズ¥46,200/パラブーツ(パラブーツ 青山店 03-5766-6688

かたくなに同じスタイルを貫くというのも一案だが、ニューノーマル時代に求められるのは柔軟な対応力だろう。機能素材を採用したセットアップをワードローブに採り入れることは、変化を恐れない姿勢を示すことに通じる。それを決めたなら、合わせるアイテムもアップデート。台襟付きのニットポロ、レザー使いが上品なバックパック、そしてシンプルなレザースニーカー。これらが名脇役となる。

My Rule10
休日のスーツはベージュ

写真・図版
セットアップの生地はイタリアの老舗マルゾットのギャバジン。コットンにウールを混紡した風合いがエレガントで、伸縮性も発揮。ジャケット¥61,600、パンツ¥26,400/ともにユナイテッドアローズ(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 03-5772-5501)、シャツ¥41,800/ピーティー トリノ(PT ジャパン 03-5485-0058)、眼鏡¥85,800/10 アイヴァン(アイヴァン PR 03-6450-5300)、時計¥464,200/チューダー(日本ロレックス / チューダー 0120-929-570

ビジネススタイルの多様化は、言い換えればカジュアル化。その影響により、オンとオフの境界線があいまいになり、シーンを問わずに活用できるカジュアルなフィーリングのスーツが人気になっている。カラーではベージュ、素材ではコットン。オンはニットタイを巻いて、オフはノータイでバンドカラーシャツを合わせる。そんな着まわしをマイルールに定めれば、もっとファッションが楽しめる。

掲載した商品はすべて税込み価格です。

<<スーツの装い。My Rule10【HOW TO DRESS/前編】

アエラスタイルマガジンVOL.54 AUTUMN / WINTER 2022」より転載

Photograph: Osami Watanabe
Styling: Masayuki Sakurai,Akihiro Mizumoto
Hair & Make: Masayuki(The VOICE)
Edit & Text: Kenji Washio

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