お酒
“完食ダッシュ”をばっちり決めて、大満足!
マッチと町中華。【第5回】
2023.10.20
本誌で大反響を呼んだ「マッチと町中華」。あの町、この町の味アリな中華店をめぐりながら、マッチがラーメンをすすり、ときにはビールを飲みながら餃子を頬張る、わんぱくな大人のための食の探訪記。第5弾は、夜の予約がなんと3ヶ月先まで埋まる“奇跡の町中華”こと『緑町 生駒』が登場。マッチもそのオリジナリティにうなった超人気店で、食欲の秋を満喫!
60歳という人生の節目を迎える2024年にかけて「KANREKI DASH」と銘打った全国ツアーの真っ最中。さらに、日本レースプロモーションの会長として多忙を極めるマッチが訪れたのは“予約困難な町中華”として話題沸騰中の『緑町 生駒』。50年前に創業し、2度の移転を経て今年3月に現在の場所に。店主の小池光雄さんと秀弘さん親子に出迎えられ、マッチも「今日を楽しみにしていました」と嬉しそうだ。
赤いクロスが敷かれたテーブルに合わせるようにビビッドカラーのトップスを着こなすマッチは「食も服も自分のスタイルを自由に楽しみたいよね」と言いながら、やおら壁に貼られたメニューに目を向ける。大好物の餃子を目ざとく見つけ、とりあえずの瓶ビールからスタート。「町中華で飲むビールってなんでこんなに美味しいんだろう」と卓上のメニューを開くと、すぐにこの店が町中華ファンの心をわし掴みにしている理由に気づいた様子。
「排骨カレーチャーハンに麻婆カレー飯? 炎のスペアリブというのも気になるね。攻めた料理のオンパレードでメニューを眺めているだけでも想像がふくらんで楽しい!」
食欲の秋ということで、焼餃子のほかに名物の皿パンチ、純レバ丼、麻婆カレー飯を注文。マッチのリクエストで“夜のイレギュラーメニュー”から皿しゅうまいもお願いすることに。
「最近、運動を再開したので今日は食べる気満々です(笑)。ツアーの体力づくりということもあるけれど、今年の夏は暑すぎて激しい運動は控えていたから。泳ぎももともと大好きだから、よく行ってる。いまってプールでもイヤホンで音楽聴けるんだよね。トライアスロンをやっている友達に入れてもらったセットリストを聴きながら走ったり、泳いだり。テンションをあげたいときはロック、ポップス。あと、ちょっと意外だけれどスローテンポなのもいい。調子いいときは15kmくらい走ります。夏は夕方でも暑かったから愛犬との散歩がやっと(笑)。それでも、季節や町並みのかすかな変化とかに気づくんだよね。車移動じゃそういう変化を見逃しちゃうから、自分の足で歩いたり走ったり、そういう時間を大切にしている」と近況を語るマッチのもとにパリッと焼かれた餃子が運ばれてくる。
マッチといえば、餃子の食べ方には一家言あり。まずはなにもつけずにそのまま。タレは醤油と酢とラー油がほぼ同量になるように作るのがこだわりだ。「町中華といえばなにはなくとも餃子でしょう」と頬張り、ビールをぐびり。「肉の脂がじゅわーっと広がってすごく美味しい!」と言いながら、すかさず2個目。なかの肉汁が皮から飛び出すアクシデントをもろともせず「リップグロス塗ったみたいになっちゃった」とお茶目な笑顔を見せる。
そこに名物の皿しゅうまいが登場すると「こんなしゅうまい初めて見た!」と目を丸くするマッチ。皿にどどんと鎮座するしゅうまいは、店主いわく「皮を巻かずに貼るスタイル」。豚ひき肉や豚肩ロースを手挽きすることで肉肉しい食感を最大に楽しませるように工夫しているという。「これは想像のはるか上を越えてきた。見た目もだけれど、豚肉の旨味がぎゅっと凝縮していて味のインパクトも特大!」とマッチの食リポも“舌好調”だ。
『生駒』ファンのオーダー率がすこぶる高い皿パンチは、名古屋でおなじみのご当地フード、台湾ラーメンのアレンジバージョン。店主がパンチパーマだったことからこの名がついたという。
「皿しゅうまいといい、とにかく美味しいもので楽しい気持ちになってほしいというサービス精神とアイディアにあふれているのがすごい。どうやって考えているんですか?」とマッチが質問すると「父は最初から普通なのはあまりやっていなかったかもしれないです(笑)。長く通ってくださっているお客さんに喜んでもらいたくて1日中どんなのを作ろうかとずっと考えています」と2代目の秀弘さんが答える。
「定休日は仕込みの日」という言葉に「お店が営業しているときだけではなくて、いつなん時も料理やお客さんのことを考えているのがすごく伝わってきます」とマッチも感動しきり。
「トレンドに傾かず、オリジナリティの中心に柱がびしっとある。その柱というか軸の部分は絶対切ってはダメなんです。それは音楽やファッションにも同じことが言えると思う。ブレない軸を持っているからこそアイディアが生きてくるし、そのベースのうえに遊びの部分が成立するというふうに僕は考えているので、そうした気概のあるお店に出合うと心通じるものを感じます」
マッチたっての希望で注文した純レバ丼は醤油や砂糖、豆板醤などでレバーを炒めた、どこか懐かしさを感じる味。そして、麻婆豆腐とカレー、豚肉に衣をつけて揚げた排骨を合い盛りにした麻婆カレー飯は「もう、これはお客さんへの愛でしかない。僕が15歳だったとしても完食できるかわからない(笑)。でも見た目のボリュームはすごいんだけれど、するする胃袋に入っていくから不思議。やっぱり前言撤回。これは60歳間近の僕もペロリと食べられます(笑)」と“完食ダッシュ”をばっちり決めて、大満足で店を後に。
「ステージを観にきてくれるファンの方にどうしたら喜んでもらえるかなとツアー中はつねに考えているんです。そのために逆算をして、自分のコンディションをベストの状態に保つのも、長く僕を応援してくれているファンの方の気持ちにこたえる誠意のひとつだと思う。そういう大切にしたい部分をあらためて実感しました。いまはとにかく全力で還暦ダッシュをやり遂げたい。町中華でパワーをつけて(笑)、突っ走ります!」
緑町 生駒
東京都墨田区緑4-6-1
Tel/03-3633-4089
11:30~13:00(L.O.)
18:00~21:30
定休日/火曜ランチ営業と水曜日
近藤真彦(こんどう・まさひこ)
1964年生まれ。歌手、俳優、レーサー、レーシングチーム監督、実業家。1979年テレビドラマ『3年B組金八先生』でデビュー。1980年以降はソロ歌手として、『スニーカーぶる~す』『ギンギラギンにさりげなく』『ハイティーン・ブギ』『ケジメなさい』『愚か者』などなど、ヒット曲を多数発表。現在もコンサートやディナーショーで多くの観客を魅了し、そのスター性は健在。
☆マッチさんのコンサート情報などはコチラ!
NEWS①!
<マッチと町中華。>アエラスタイルマガジンVol.55に掲載!
『マッチと町中華』がアエラスタイルマガジンVol.55に掲載されます。雑誌は11月7日(火)発売。 予約はこちらで受付中! 発売をお楽しみに!!
NEWS②!
<マッチと町中華。>ステッカーが完成!
マッチさんが訪れた店舗には、ご本人からオリジナルステッカーをお配りすることになりました。記事掲載された店舗に足をお運びの際は、このステッカーを探してみてください!
マッチさんと上記店舗取材時のこぼれ話をVoicy(無料音声配信)にて公開中。上記のリンクからぜひお聞きください!
Photograph: Akira Maeda(MAETTICO)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up: GONTA(weather)
Text: Keiko Kodera