特別インタビュー

七賢とアラン・デュカスが再びコラボ
山梨銘醸13代目の北原対馬社長が語る
『アラン・デュカス・サステナブル・スピリッツ』の魅力。

2023.11.06

七賢とアラン・デュカスが再びコラボ<br>山梨銘醸13代目の北原対馬社長が語る<br>『アラン・デュカス・サステナブル・スピリッツ』の魅力。
写真左から山梨銘醸株式会社代表取締役社長 北原対馬氏とアラン・デュカス氏。

南アルプスの中心である白州の自然豊かな地に蔵を構える山梨銘醸・七賢。1750年の創業以来、多くの人に愛される銘酒を生み出してきた。そんな七賢がフランスの料理人アラン・デュカスとタッグを組み、焼酎『アラン・デュカス・サステナブル・スピリッツ』を製造。同焼酎は、両者にとって2回目のコラボレーション酒になる。

誕生に至った経緯、開発における想いなど、七賢の13代目社長・北原対馬氏に聞いた。

「日本酒の生産量が拡大していくと、比例して酒粕の量も増す。副産物である酒粕は、和食の調味料などとして愛されてきたのですが、時代が変わるとともに需要が低下し、大量の酒粕が産業廃棄物となってしまったんです。その問題をどうにかしなきゃと思ったときに、蒸留という技術に入れ込むのはどうかと考えました。それで、まずは蒸留して寝かせていたんですけど、この話をデュカスさんにしたら『面白いね、飲ませてよ』と。国籍が違えども、デュカスさんとは飲食で世界を豊かにしていこうという同じパッションがあります。かつお互い持続可能な取り組み(SDGs)に力を入れている。その考え方が共鳴するということが基本条件になり、『一緒に造ろうか!』と今回のコラボレーションに至りました」

『アラン・デュカス・サステナブル・スピリッツ』は、酒粕を蒸溜して造った焼酎を、七賢と同じく白州の地でウイスキー造りを行うサントリー白州蒸溜所の樽(たる)で熟成させることにより完成する。白桃やパイナップルを連想させるような七賢の特徴である吟醸酒由来の吟醸香の爽やかさに、ウイスキー樽で熟成させることで生まれるまろやかさがもたらす複雑な味わいがたまらない。

「余すところなく使う、いわゆるSDGsを体現したお酒です。品質においてはおいしくて当たり前。酒粕由来の焼酎をウイスキー樽で熟成させるという世界でも希少な製法が、独自色のある新しい味わいを生み出したんだと思います。また、海外でも展開しますが、日本産のお酒が世界へ羽ばたいていくことは、ソフトパワーにおいてすごく重要なんです。なぜなら文化を背負っているから。日本文化の輸出という意味でも、こういった取り組みは続けなくてはいけないと考えています」

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唯一無二の焼酎の秘密は築き上げた信頼関係にあり。

七賢とアラン・デュカスが初のコラボレーション酒『アラン・デュカス・スパークリング・サケ』を発表したのは2021年のこと。その実績があるからこそ、今回の焼酎が誕生するのには時間がかからなかった。だが、最初のコラボレーションに至るまでは、かなりの時間を要したと語る。

「デュカスさんとは、お互い率直に意見を言い合える仲ですが、実は出会ってすぐに意気投合したわけではないんです。『僕らはどれだけの実績があって、こういう酒造りをしている。一緒にやりましょう』と提案しても、なかなか首を縦に振ってもらえなかった。そこから慎重に根気強くアプローチしていきました。大切にしたことは、お互いを認め合える対等の立場づくりです」

対等であることを重視し、信頼関係を築くことができたからこそ、造り出せた『アラン・デュカス・サステナブル・スピリッツ』。焼酎愛好家はもちろん、日本酒やワイン好きもうならせる一本に仕上がっている。

最後に、アラン・デュカスとの今後の取り組みについて聞いた。

「新たなコラボレーションの構想はまだありません。今は1回目のスパークリングと今回のスピリッツを育てていくことに力を注いでいきたいですね」

アラン・デュカス・サステナブル・スピリッツ
発売日:2023年12月1日(金)
価格:3300円(税込)
内容量:720 ㎖ アルコール分:37度
飲用温度:常温

<<詳細はこちらから

取材協力/山梨銘醸株式会社

Text:Mayu Yamamoto

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