週末の過ごし方
“神(紙)は細部に宿る”。ファインペーパーから生まれた手乗りペット「ぺぺット」。
2023.12.12
師走ならではの慌ただしい空気感は、気持ちまでせき立てられるようでどこか落ち着かないもの。そんなときにかわいいペットでもいれば、どんなにか心癒やされることだろう。とはいえ、賃貸物件のルールや不規則な生活スタイルを考えると、おいそれと生き物を飼うのは無責任な話。そうしたハードルの高さを全く異なるアプローチからクリアしてくれるのが、紙から生まれた手乗りペット「PÉPET(ペペット)」だ。大切な人へのプレゼントはもちろん、自分用のギフトとして贈り、家族の一員に迎え入れたい。
洋梨のような不思議なフォルムと繊細なカラーパレットが織りなす美発色。そしてなんとも言えない愛嬌あるたたずまいが特徴の「ペペット」は、紙の専門商社・竹尾が、今秋に発売した新商品である。創業から124年を数える竹尾は、主にファインペーパーの販売や輸出入、企画開発などを手がける老舗企業。上質な紙に触れることで感じる温かさや、それによって刺激される感性といった紙そのものの魅力を楽しむ何かを作りたいとの思いから生まれたのが、なんともユニークなこちらのプロダクトである。
素材には、緻密で柔らかな肌触りが特徴のファインペーパー「NTラシャ」を使用。手のひらサイズの一体あたり大小400枚余りの円で構成されており、大きさの異なる円を交互に重ねることで、紙と紙の間に空間を作り出した。このわずかな空間に影が落ちることで、陰影のコントラストが強調され、断面の色が際立つように計算されている。
そして、「ペペット」最大の魅力でもある、まるで生きているような自発的な動きもまた、この空間が寄与するものである。両手ですくい上げるように手のひらに乗せてなでると、ゆらゆらと不規則に動きだす。ちょっとした重心やバランス次第で有機的に変化する様は、本物の小動物のようでもあり、紙とわかっていても自然と愛情が湧いてくるのだ。小さな瞳と木製の鼻を付けただけのとぼけたようなファニーな表情も愛くるしさを後押しする。
配色の異なる、ダンデル、スカイ、トロピコ、グアバの全4タイプを展開。120色もの豊富な色からそれぞれの組み合わせを厳選したとあって、リビングやデスクに無造作に置くだけでもインテリアのアクセントになる。飾ってよし、眺めてよし、もちろんめでてもよし。そこにいるだけでホッとさせるような異形の存在感には、癒やし効果のみならず、紙の魅力を改めて再認識するに違いない。
問/竹尾 ペーパープロダクト事業部 03-3295-7500
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掲載した商品は税込み価格です。
Text: Tetsuya Sato