週末の過ごし方

俳優・町田啓太と考える、装う美学。
梅雨を迎え撃つ、「水無月」の重ね着。
【第二期】

2024.06.21

俳優・町田啓太と考える、装う美学。<br>梅雨を迎え撃つ、「水無月」の重ね着。<br>【第二期】

日本には四季折々に豊かな表情があり、それぞれにふさわしい「装い」がある。それは単に体感的な暑さや寒さをしのぐといった「機能」を追求するだけのものではなく、Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)、つまりはTPOにそぐうものであるべき。そして、そのことに通底するストーリーを理解し装うことは、正しい「大人のたしなみ」と言えるだろう。

本連載は、一年の12カ月それぞれに季節を意識したテーマを掲げ、大人の男にふさわしいスタイルを模索しようというもの。小誌が培ってきたTPOに合うトラッドスタイルの知見と、現代を代表するファッションアイコン=町田啓太の表現力とのコラボレートにより、アエラスタイルマガジン流現代版「服飾歳時記」(第二期)としてつづっていく。

“色”で遊ぶ、梅雨時期の着こなし。

町田啓太02

梅雨の季節、町田啓太は少しだけ憂鬱(ゆううつ)になる。

「すべては低気圧のせい。雨の気配が忍び寄ってくると、だんだんと頭が痛くなってくる。子どものころはまったくそんなことはなく、大人になり都会で暮らすようになってからのこと。自分は“山っ子”だったので、昔はよく山で遊んでいた。急に降りだして木々や草花の葉を打つ雨音が好きで、時を忘れてよく耳を傾けていたし、雨の山が発するマイナスイオンに心から癒やされていた。きっと雨だけが悪いわけではなく、場所によるのだろう」

町田啓太03

都会暮らしには十分慣れているはずだが、この季節のブルーな心模様はいただけない……。そんな町田の気持ちを晴れやかに彩ってくれることを願い、今回はカラフルなレインウエアを用意してみた。

「ふだんは落ち着いたトーンのウエアを選ぶことが多く、このような発色のいいものを手に取ることはほぼない。実際に着用し撮影され、モニターに映し出された自分の姿を見たとき、ポップでカラフルな感じに心が躍った。全体的にかわいい印象だが、ヒネリの利いたスタイリングが光っている」

町田啓太04

色が及ぼす心理的効果については、多くのメディアで語り尽くされていることなので、ここではあえて深くは触れない。だがしかし、写真に切り撮られた町田の表情やポージングを見れば、ビビッドカラーのレイヤードが少なからず影響しているのでは?と思えてくる。

町田啓太05

「色には“力”がある。明るい色に包まれることで、モチベーションが上がることも多い。思えば幼いころに使っていた長靴や傘といった雨具はどれも派手色で、きっと知らず知らずのうちに色で遊んで元気になっていたのだろう。成長していくにつれ色で遊ばなくなるが、さらに大人になるとまた変わってくる。今日の装いはとても楽しく、気持ちが高ぶる」

今年の関東甲信越の梅雨入りは、記録的に遅い。町田と共に楽しい“色”を武器として備え、梅雨前線を迎え撃つべし!

町田啓太06
パープルのパーカー¥33,000、腰に巻いたピンクのジャケット¥28,600、バッグ¥9,900、傘¥9,900/すべてハンター(ハンタージャパン カスタマーサービス 0120-563-567)、ジャケット¥64,900/ジーニック、Tシャツ¥19,800/コロニークロージング、シューズ¥53,900/エルム パリ(すべてエイチジェイエム 03-6434-0885)、パンツ¥42,900/ピーティートリノデニム(PT JAPAN 03-5485-0058

FROM EDITOR

今回の取材撮影の少し前に、ベネチアを旅してきたという町田啓太さん。かなりの“弾丸ツアー”だったようですが、とても充実されているご様子。その旅の思い出話を『アエラスタイルマガジンの談話室』で少しだけお届けしますので、ぜひお耳を拝借できますと幸いです。

さて、当編集部でもそろそろ、11月に発売する雑誌(2024年秋冬号=vol.57)の取材プランを練り込まなければなりません。今号で町田さんと向かうのは……。あれやこれやと妄想が膨らみますが、いずれにせよステキな誌面になることは間違いありません。ご期待ください!

アエラスタイルマガジン編集長[雑誌・タブロイド] 藤岡信吾

町田啓太(まちだ・けいた)
1990年生まれ。俳優、劇団EXILEメンバー。映画『チェリまほ THE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』『太陽とボレロ』『ミステリと言う勿れ』、テレビドラマ『テッパチ!』(フジテレビ系)、『ダメな男じゃダメですか?』(テレビ東京)、『unknown(テレビ朝日系)、『漫画家イエナガの複雑社会を超定義』(NHK)など話題作に多数出演。大河ドラマ『光る君へ』の出演も要チェック!

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Photograph: Satoru Tada(Rooster)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up: KOHEY(HAKU)
Edit & Text: Shingo Fujioka(AERA STYLE MAGAZINE)

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