接待と手土産

「ヴィヨン」のバウムクーヘン。
すべて実食! 自慢の手土産 #139

2024.10.24

「ヴィヨン」のバウムクーヘン。<br>すべて実食! 自慢の手土産 #139

水なしでも食べられる!素朴でスタンダードな本場ドイツの味。

薄い生地を何層にも重ねて焼き上げていくバウムクーヘン。木の年輪にあやかって成長や長寿、繁栄や幸せを重ねていく縁起物として手土産にも人気だ。最近はやりのふかふか、もちもちなどの進化系も捨てがたいが、筆者のイチ押しは、どこかほっこりと懐かしい味わいの「ヴィヨン」のバウムクーヘン。ヴィヨンと言えばつぼ型に焼き上げたユニークなヴィヨネットも有名で、幾度となくメディアにも登場しているが、筆者のお気に入りは、創業当時からの定番のプレーンと、プレーンに季節の素材を練り込んだシーズナルのバウムクーヘンだ。

バウムクーヘンが生まれたのは18世紀頃のドイツで、日本への上陸は1900年代と言われているが、ヴィヨンの創業は1965年。50年以上も作り続けている。創業当時から本場ドイツ伝統の素朴な手作りにこだわり、その製法を忠実に再現し、ドイツ農業協会が主催する品評会「DLG コンテスト」では、なんと200項目を満点で金賞を連続受賞したほど。ひとつひとつ丁寧に手作りする超本格派なのだ。

もうひとつヴィヨンと言えば、飲み物がなくても食べられる”水なしバウムクーヘン”としても有名だ。食感はふわっと軽やかというより、年輪が密に詰まっていて、どちらかと言うと固めで、しっかりとした食べ応えがある。今は珍しくなった外側にグレーズがついた、そのスタンダードないでたちも好み。いい感じのナチュラルなしっとり感があり、別名のとおり、飲み物がなくても食べやすいのだが、甘さも控えめでコーヒーや紅茶との相性も抜群。ぜひぜいたくなコーヒータイムを楽しんでほしい。

原材料にとことんこだわり、きれいに焼くために入れる乳化剤や膨張剤の類いを一切使用せず、厳選した国産の卵とバターを使う。バターは、どんな高級バターよりもバウムクーヘンの魅力を引き出すことができるというカルピス発酵バターを使用。機械制御のオーブン全盛のなか、伝統的な技術を守る職人たちが、一層一層の焼き具合を手と目で確かめながらじっくりと焼く。日々の天候、原材料、オーブンの“機嫌”によって焼け方が変わるため、火加減や焼き時間を見極める熟練の技が必要だという。

今回は、愛媛県産の和栗を使用した秋らしいバウムクーヘンを取り寄せした。いつものプレーンの良さに加えて、コクのあるマロンの風味がたまらなくおいしかった。素材と製法に妥協しない老舗ヴィヨンのバウムクーヘン。またひとつ“年輪を重ねる”という意味も込めて、相手の幸せを願いながら贈ってはいかがだろう。

1050_手土産_ヴィヨン_包装

ヴィヨン 桜新町本店
東京都世田谷区桜新町2-8-4
営業時間/9:30〜20:00(電話受付:10:00~19:00)
定休日/無休
価格/和栗バウムクーヘン(中)2150円、プレーンバウムクーヘン(大)2590円、同(中)1900円 ※税込み、オンラインショップは送料別
問/03-5426-5044
https://villon1965.jp/
※ほかに二子玉川工房、横浜高島屋店、ヴィヨン二子玉川東急フードショー店およびオンラインショップ

<<すべて実食! 自慢の手土産 #138「Maison KEI」のビスキュイ・ブルトン。

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