週末の過ごし方
数々の受賞歴を持つ「上海菜館」で“優勝餃子”をパクリ!
今年もマッチの勢いはノンストップ!!
マッチと町中華。【第23回】
2025.03.14

どんなときでもギンギラギンに人生を謳歌(おうか)するマッチがあの町、この町の味アリな中華料理店をめぐりながら、ラーメンをすすり、ときにはビールを飲みながら餃子を頰張る、わんぱくな大人のための食の探訪記。町中華人気がますます高まるなか、マッチが訪れたのは、オリジナリティーが光る料理も豊富な、学芸大学の『上海菜館』。なんと、今回は「マッチと町中華」開始以来、初のテレビの密着取材も。お約束の餃子とビールに、子どもの頃から大好きだという麺料理や、店自慢の逸品を堪能しながら、マッチの食欲もノンストップ!
長年の友人であるTUBEの前田亘輝さんと共に、番組の企画でタイのリゾート地を訪れたばかりというマッチ。日焼けした肌にパールとラインストーンがちりばめられたあでやかなシャツを着て「マッチと町中華はファッションもポイントのひとつだからね。こんな服で町中華には行かないでしょう(笑)。この連載を読んでくれている人にはそこも楽しんでもらえたらうれしいです」と話しながら学芸大学の裏通りを歩くマッチを、道行く人が振り返る。

じつは、今回は「マッチと町中華の撮影に密着したい」というテレビ番組からのオファーが。この連載が始まって2年弱。その間に、還暦という人生の節目に向けたライブツアーを敢行し、昨年末は“エンターテインメントステージ”と銘打った舞台の座長を務めるなど、精力的に活動してきたマッチにとって、町中華の撮影はリラックスした気分で過ごせるひとときだという。
「昨年、発売されたムック本を見たときも思ったんだけれど、すごく自然な表情をいっぱい撮られてる(笑)。もう、すべてが素の自分。餃子の肉汁があふれて驚いたり、炒飯を夢中でかきこんでいたり(笑)、お店の方と楽しくおしゃべりさせてもらったり。町中華という場所だからこそ、普段の自分のままでいられるんだと思います。そのぶん、衣装はばっちり派手に決めてギャップを出すのがすごく楽しい」とマッチ。

キラキラ輝くシャツとの相乗効果でスターオーラ倍増のマッチが訪れたのは、変化球メニューも楽しいと町中華ファンに話題の『上海菜館』。1959年に創業し、現在は2代目の真田照久さんと奥さんの孝子さん、そして大女将(おおおかみ)の茂子さんで店を営む。先代と共に店を切り盛りし、今でも仕込みを手伝うという茂子さんは御年90歳。マッチのシャツに負けない、ピカピカとまぶしい笑顔で店の外から手を振る常連客に元気にあいさつをする。

「僕はこの2年でたくさんの町中華に行かせてもらったので、食べる前からここはいいお店だとわかります」と言うマッチに、店主も茂子さんもうれしそう。ビールを飲みながら店内に張られたカラフルな手書きポップをぐるりと見渡し「普通の町中華とは違う変わったメニューもあって気になります」と興味津々。

大好物のサンマーメンを見つけて「これと餃子はマストで、炒飯も食べたいです」と手早く注文すると、店主に「サンマーメンにサンマは入っていませんよ(笑)」と言われ「上手(うわて)だなぁ」と苦笑する場面も。横浜育ちのマッチは子どもの頃から慣れ親しんだサンマーメンに、サンマが入っていないことはもちろん知っているが「こういうコミュニケーションも町中華の醍醐味(だいごみ)ですよね」とうれしそう。

お待ちかねのサンマーメンが運ばれてくると「熱々のうちにいただかないと!」とまずはスープをひとすすり。鶏ガラととんこつのスープの仕込みの担当は大女将の茂子さん。「優しい味におかあさんの愛情を感じるよね」とハイペースでどんどん食べ進める。

次に運ばれてきた餃子の焼き色の美しさにマッチが歓声をあげると、店主がすかさず「この餃子はいろいろなコンクールで優勝しているんです!」と胸を張る。

店内に飾られたトロフィーは“優勝餃子”の証しで、何も付けずにひとつめの餃子を頰張ったマッチも「これはすごい! 口のなかに広がるうま味がとてつもない」と驚きの表情。餡には岩手県産の岩中豚を使用しており、背脂やキャベツにニラ、ニンニクなど具材の一体感をとことん追求して完成させたと聞けば、キング・オブ・餃子に輝いたというのも納得。


テレビの撮影スタッフが固唾を(よだれ!?)をのんで見守るなか、炒飯が運ばれてくると「待っていました!」と箸をスプーンに持ち替えて、たっぷりとすくう。ゆっくりかみ締めてから「なんだ、これは」と目を見開くマッチのリアクションに、カメラマンも思わず「本当においしそう」と声を漏らす。高温でしっとりとぱらぱらのちょうど中間に仕上げる炒飯は、餃子に引けを取らない「優勝の味」。

久しぶりの町中華に食欲がノンストップなマッチは、焼きチーズマーボドーフもオーダー。常連客から「ワインにも合う麻婆豆腐が食べたい」とリクエストされ、店主がラザニアを食べているときにひらめいたというアイディア料理だ。厨房をのぞかせてもらいながら奥さんの孝子さんと地元が近いという話で盛り上がる。


子どもの頃にマッチが遊びに通ったプールの話で打ち解けた頃、とろーりチーズがたっぷりの麻婆豆腐が完成。「これは思いつかないですよね。しっかり麻婆の辛みもあって、それをチーズがマイルドにしてという無限ループにハマります」とマッチのハートもとろけた様子。
「オーソドックスな町中華にも心引かれるけれど、お客さんに喜んでほしいという思いと遊び心があってとっても楽しい気分になりました。また必ず来させてくださいね!」と言うマッチの言葉に、大女将も幸せそうに笑った。

上海菜館
東京都目黒区鷹番3-12-5
TEL/03-3713-4808
営/11:30~14:00、18:00~21:00
火・水曜日休み
近藤真彦(こんどう・まさひこ)
1964年生まれ。歌手、俳優、レーシングチームオーナー兼監督、実業家。1979年テレビドラマ『3年B組金八先生』でデビュー。1980年以降はソロ歌手として、『スニーカーぶる~す』『ギンギラギンにさりげなく』『ハイティーン・ブギ』『ケジメなさい』『愚か者』などなど、ヒット曲を多数発表。現在もコンサートやディナーショーで多くの観客を魅了し、そのスター性は健在。
NEWS!
『近藤真彦 マッチと町中華。』絶賛発売中!!
近藤真彦(マッチ)が熱々の餃子を頬張り、豪快に麺をすする…。アエラスタイルマガジンで連載中の、ワンパクな大人たちのための食の探訪記。大好評のその内容に、取材時のアザーカット他を盛り込んで一冊のムックに。日本武道館での還暦バースデーコンサート直後に行ったロングインタビューや、ワクワクが止まらないスペシャルな「読者プレゼント(抽選)」にもご期待ください!
タイトル:『AERA STYLE MAGAZINE presents 近藤真彦 マッチと町中華。』
仕様:B5判、100P、オールカラー 発売日:2024年11月25日(月) 定価:1650円[税込]
NEWS!
<マッチと町中華。>ステッカーが完成!

マッチさんが訪れた店舗には、ご本人からオリジナルステッカーをお配りすることになりました。記事掲載された店舗に足をお運びの際は、このステッカーを探してみてください!
Photograph: Akira Maeda(MAETTICO)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up: GONTA(weather)
Text: Keiko Kodera