靴
この春欲しい! 大人の“クラシック”スニーカー 3選。
【vol2.ランニングシューズ系スニーカー】
2025.03.18

どこか加熱気味だったハイテクスニーカーブームの揺り戻しなのか、近年はローテクタイプや定番モデルの復権が目覚ましい。希少性やコラボレーションの話題性ではなく、トレンドに左右されないスタンダードの良さが改めて再認識されたと言ってもいいだろう。そこで、アエラスタイルマガジンでは、“クラシック”をキーワードに、普遍的かつスタイルに採り入れやすい、この春おすすめのスニーカーをタイプ別に厳選。全3回にわたって紹介する。
第2回は、ランニングシューズタイプをピックアップ。とはいえ、本格的なランを目的としたスニーカーではなく、軽量なアッパーやクッショニングに優れたソールシステムが特徴のライフスタイルモデルという捉え方が適切だろう。ファッション的な視点を加味すれば、すっきりとしたシルエットはジャケットスタイルやきれいめのスラックスに合わせると、こなれた雰囲気へと導いてくれる。
ザ・ロウが贈る、洗練を極めたラグジュアリースニーカー。

最高級の素材を惜しみなく使い、ロゴやアイコンに頼らないタイムレスなデザインで、静謐(せいひつ)なラグジュアリーを体現するメゾン、THE ROW(ザ・ロウ)。写真のスニーカーは、継続的に展開されている人気スニーカー「Mica(ミカ)」の新作モデル。
ぜいたくにソフトカシミヤとテクニカルナイロンを組み合わせたアッパーは、穏やかなトーナルカラーで構成されている。よく目を凝らすとパーツごとに切りっぱなしのようなカットオフ仕上げが施されており、ミニマルなたたずまいに繊細なニュアンスをプラス。褪色したようなミッドソールの色調がアッパーとグラデーションとなり、上品な統一感を生んでいる。
伝統的なランニングシューズにならったラバー製マイクロトレッド付きのクッションソールは、履き心地も申し分ない。カジュアルなランニングシューズをノーブルに昇華するセンスは、卓越したものを感じる。
ブランドのレガシーをまとって、進化を遂げたアイコンモデル。

「1300」や「990」など、ニューバランスには “クラシック”とたたえられるスニーカーが数多く存在する。写真の「ML574」ものそのひとつで、1999年にトレイルランニング用のシューズとして発売されて以降、今なお根強いファンが多い。今回、同モデルをピックアップしたのは、歴史に名を残す名作でありながら、進化しつづける“現在進行形”のクラシックモデルであるから。
ニューバランスでは、現在、環境に配慮した素材と作業工程で仕上げたサステナビリティプログラムを実施。写真の「ML574」は、同プログラムの対象モデルであると同時に、ブランドのレガシーカラーをまとった“EVERGREENER PACK”の一足。
包み込むようなアッパーのフィット感と優れたクッション性をそのままに、ブラック×ホワイトをベースにグレーを利かせたカラーウェイでシックにまとめ上げた。レガシーカラーをうたうだけあって、写真のモデル以外にも、グレー系やネイビー系など、“らしい”カラーがそろう。時流に即した取り組みや、1万2980円(税込)という良心的な価格設定も含めて、未来に残したい“クラシック”モデルと言える。
過去と現在が交差する、アシックスのDNAを受け継ぐハイブリッドモデル。

「いま最も世界中で支持を集める“ジャパンブランド”は?」と問われれば、間違いなく最上位に入るのがアシックスだ。特に北米、欧州の業績は絶好調で、ファッション感度の高い人たちが通うパリの人気セレクトショップ「ザ・ブロークン・アーム」のスニーカーコーナーは、アシックスの人気モデルで埋め尽くされているなんて話もあるほど。なかでも「GEL-NYC」シリーズは、アシックスのアーカイブから象徴的なエレメントを掛け合わせたマッシュアップモデルで、「GEL-KAYANO」と並んで圧倒的な人気を誇る。
写真のモデルは、柔らかな履き心地が特徴のランニングシューズ「GEL-NIMBUS 3」をベースに、2001年に誕生した「GEL-MC PLUS V」のカラーパレットや装飾を融合させたデザイン。どこかレトロクラシックな面持ちのアッパーに対し、ソールには本格的ランニングシューズ「GEL-CUMULUS 16」のツーリングシステムを採用。優れた軽量性と反発性に、アシックス独自の“GELテクノロジー”による衝撃緩衝性も加わって、コンフォートな履き心地をかなえてくれる。
トレンドうんぬんは抜きにしても、ジャパンブランドの真価をこの一足で体感してはいかがだろう。
掲載した商品は税込み価格です。
Text: Tetsuya Sato