週末の過ごし方

地方再生のための美食で、
人生最高の休日を彩る。

2025.03.31

地方再生のための美食で、<br>人生最高の休日を彩る。
ミシュランスター・シェフのジャンルカ・ゴリーニ氏と、彼にあこがれる若き料理人たち。

人生最高の休日を、テーラーメイドで――。そんなコンセプトを掲げるゼナギは、長野県南木曽町にあるホテルだ。江戸時代に建てられたという古民家(家屋の延べ面積は480㎡、敷地面積は2800㎡)を大胆にリノベートし、唯一無二のモダンラグジュアリーな和空間として再生。11組限定という贅沢さと、プライベート・バトラーやプライベート・ガイドらが導くスペシャルな体験が話題を呼び、2019年のオープン以来、世界中からの宿泊客が後を絶たない。

フーディーたちにとっては、周囲の自然の恵みをふんだんに使ったウェルネス料理を楽しめるレストラン「□△〇(まるさんかくしかく)」での美食体験が見逃せない。いまなら特に、イタリアのミシュランスター・シェフが開発に携わったメニューがオススメだ。

④森のスープ1
森のスープ。キノコによって下ごしらえを変えるが、見事に調和させている。
⑦森の肉12
森の肉(ジビエ)。ゴリーニ氏いわく「ゼナギが扱う長野や岐阜の鹿肉は素晴らしい!」

実はこのメニュー、ゼナギはもちろん農林水産省も支援する南木曽「ウェルネス農泊」推進協議会が「地方再生のための料理」を求め招へいした、イタリアのシェフ・オブ・ザ・イヤーに選出されたこともある気鋭の料理人であるジャンルカ・ゴリーニ氏と、彼のもとで学びたいと手を挙げた日本の若手シェフたちが試行錯誤を重ねて創作したもの。地域活性と素晴らしい文化と技術の継承を複合的に目指した、とても意欲的な取り組みでもあった。

近隣の天然素材の滋味をエレガントに際立たせた料理の数々は、繊細で重層的なクリエイティビティを嫌味なく感じさせつつも、シンプルに「うまい!」とうならせる。ペアリングするドリンクや食器類の多くに近隣の「財産」を使い、その調和の妙を楽しませてくれるのも心憎い。

ゼナギ04
面積の94%が「森」だという南木曽町。その惠みは、遠く海にまで及ぶ。

自身の五感を震わせ、そして社会に好影響を与える美味を――。人生最高の休日を求めて、南木曽町に向かいたくなる。

取材協力/南木曽「ウェルネス農泊」推進協議会
     ゼナギ

Text:AERA STYLE MAGAZINE

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