カジュアルウェア
こんなのあった?と驚くユニクロの隠れた名品発見。
トラッド デザインのショートジャケットはオンオフ使える万能選手。
ファッショントレンドスナップVol.219
2026.04.10
ユニクロの公式ホームページを細かく見ていると、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークなどのストリートファッションやモード系ブランドのトレンドをリサーチしたうえで、ユニクロ流にそしゃくしたアイテムがあるのに気が付きます。
その代表的なのが有名デザイナーを起用しているUniqlo UやUNIQLO and JW ANDERSONなどですが、実はレギュラーラインにもそのエッセンスを採り入れた名品を見つけることができます。
今回はベーシックなデザインにさりげなくトレンドを盛り込んだワザありアイテムをチョイスし、深掘りしてみました。
こんなメンズのアイテムあったかな?と疑問に思った方は、多いのではないでしょうか。それもそのはず、このユーティリティショートジャケットは、ユニクロの公式オンラインストアでは、ウィメンズのコンテンツで掲載されているものなのです。
サイズ表記のところには、男女兼用、XSから3XL(ウイメンズのサイズ)まで展開していると記載が。
※XS・XXL・3XLサイズは、オンラインストアのみでの取り扱いとなります
個人的には、この何げない表記には世界的なファッションのトレンドが秘められている!と勝手な想像を膨らませてしまいました。それは漢字ではなくユニセックス、ジェンダー レス、フォー オール ジェンダーという英語に置き換えると、漢字のイメージとはちょっと違うニュアンスが感じられるからです。
もちろん、ユニクロは、その表記に深い意味を込めてはいないと思いますが、人種や性別の垣根を取り払い、誰もが自由にファッションを楽しむという発想、性別に関係なく着られるデザインは、有名ブランドのコレクションのコンセプトとしてよく使われていて、そうした流れをサイズ表記でさりげなく表現していると私は妄想&推測してしまいました。
もう一度ユニクロの公式オンラインストアに戻ってユーティリティショートジャケットのトップページをよく見ていくと、メインの女性モデルに交じって男性モデルの着用カットを発見。公式の着こなし発見アプリ、スタイルヒント(ユニクロのショップスタッフやファッション系インフルエンサーのスナップが掲載)には、このジャケットを着ている男性のスナップがいくつもアップされていて、男女兼用で着られることをしっかりアピールしています。
このジャケットのデザインは、イギリス生まれのクラシックなアウトドアウエアをユニクロ流にアップデート。元祖はイギリスの田舎でフィッシング(フライフィッシング)を楽しむ人のために開発されたもので、着丈が短いのは、下半身まで川に入ることが多い釣り人が動きやすく、上着を水に浸さないためだったのです。ちなみにこのフィッシングジャケットは、イギリスの川釣りの聖地のひとつ、スペイ川にちなんで命名されていました。
これが日本のファッション雑誌で取り上げられると、日本のブリティシュファッション愛好家の間で街着として使う人が現れました。そのブームがセレクトショップの若手スタッフに飛び火して、トラッカージャケット(ジージャン)と並ぶ人気アイテムに急成長。
ユニクロは、そうした流れをいち早く取り入れていて、2023年の秋冬ではユーティリーティショートブルゾン[哲近1.1](男性向け)が販売されていました。今春はデザインや素材をアップデートしたユーティリティショートジャケットを発表。
コーデュロイ生地が張られた襟、タータンチェック柄の裏地という元祖のクラシックな仕様をリスペクトしつつも、後ろ見頃に深いマチ付きのプリーツを付けることで、Aラインシルエットに仕上げ、トレンド感を盛り込んでいます。
こちらは、ユニクロの男性スタッフの方の着用スナップ。身長177cmでユーティリティショートジャケットのサイズはXL。全体をグレーとベージュの淡いトーンで上品にまとめています。
ベーシックなアイテムを使いながらもどことなくイマドキ感があるのは、パンツのワイドシルエットとジャケットの短丈とが絶妙にまとまっているからではないでしょうか。
こちらは、誰もがトライしやすいコーディネートを私なりに考えてみました。ユーティリティショートジャケットは、ブラック、シャツは黒白のギンガムチェック、パンツはライトグレーにすることで、全体をモノトーンに仕上げキチンとしたイメージを盛ってみました。
ポイントは、シャツは定番の無地を選ばないこと、首元にシャツでメリハリを付けることで全体が引き締まって見えます。パステルカラーのシャツやポロシャツにしても同じ効果を出しつつも、トレンド感をプラスできます。
Photograph & Text:Yoichi Onishi