週末の過ごし方
クーペの美しさをオープンタイプへコンバート。
四季の移ろいを五感で感じるドライブへ
2026.03.31
オープンカーは和製英語で、イギリスではロードスター、アメリカではコンバーチブル、フランスとドイツではカブリオレ、そしてイタリアではスパイダーと呼ばれる。なぜ英語の蜘蛛なのか。由来にはふたつの説がある。重心が低い姿が蜘蛛を彷彿とさせるというのがそのひとつ。言われてみれば似ているように見えるが、イタリア語のRagno(ラーニョ)ではなく英語なのかという疑問が湧く。もうひとつの説はイギリスでの2シーター、ライトウエイトのスポーツタイプをSpeedster(スピードスター)と呼んでおり、それがイタリアに伝わった際にSpyder(スパイダー)になったというもの。これも決定的とはいえないが、どちらかというより、双方が入り混じったというのが当たっているかもしれない。そう思いたくなるほど、イタリア車には地を滑るようにスピーディー走りを見せるオープンエアの名車が多い。
この3月に発表されたフェラーリ・アマルフィ・スパイダーは、その系譜を受け継ぐ一台だ。先だって反響を巻き起こしたクーペモデルのフェラーリ・アマルフィのオープンモデルで、エンジンやブレーキなどの基本的な設計を踏襲しつつ、「圧倒的なパフォーマンス」と「人生を謳歌する歓び」の両立を徹底させている。
エンジンはクーペと同様、V8ターボエンジンを搭載。国際的な賞を獲得してきたハイパワーで、高速回転域まで途切れることなく加速する。トランスミッションは8速デュアルクラッチを採用し、滑らかなギアチェンジがドライバーを高みへと連れていく。
さらに見逃せないのがルーフに採用された開閉システム。軽量かつ堅牢なソフトトップは、走行中でも60km以下であればわずか13.5秒でオープンできる。閉めた状態では5層構造で外部のノイズをしっかり遮り、上質な素材感のインテリア、視認性に富んだディスプレイの仕様と相まって包まれるような居住性を演出。開けた際はZ型に折り畳まれる機構により、格納時の厚さはわずか220mm。クーペモデルが持つ流麗なプロポーションを崩さない。
荷室はルーフを閉じた状態で255Lあり、小型のキャリーケースであれば余裕で収納できる。さらに風の流れがコントロールされるようにリアヘッドやトノカバーを設計。流れる外気を取り入れながら、乱気流や騒音で感じるストレスを軽減。ハイウェイでのドライビングでもテラスにいるような心地よさが感じられそうだ。
数学、美術で優れた才能を発揮したレオナルド・ダヴィンチに代表されるように、イタリアではロジックとエモーションがシームレスにつながる。そしてふたつを貫く美意識は、確かにフェラーリの新しいオープンモデルにも受け継がれている。圧倒的なスピード感を満喫すると共に、日本の四季を全身で体感すれば、きっと誰もがアマルフィ・スパイダーが放つドライビングフィールに搦めとられるに違いない。
フェラーリ・アマルフィ・スパイダー
ボディサイズ: 全長×全幅×全高=4660×1974×1301㎜
ホイールベース:2670㎜
駆動方式:フロント縦置きエンジン後輪駆動
車重:1556kg
最高出力:640ps/7500rpm
最大トルク:760Nm/3000-5750rpm
タイヤ:フロント245/35R20、リヤ285/35R20
車両本体価格(税込):4061万円~
問/Ferrari Japan Ferrari Amalfi Spider - Ferrari.com
Text: Mitsuhide Sako(KATANA)