お酒

岸谷五朗が綴(つづ)る
男と酒の物語。

2022.01.21

岸谷五朗が綴(つづ)る<br>男と酒の物語。

俳優・岸谷五朗が綴る小説に、そこからインスパイアされたビジュアルストーリーを添える本シリーズ。二人の男が酒を酌み交わし、見据えた未来とは──?

輝く未来への別れ。
作・岸谷五朗

「三十路」たるものは、オヤジに足を突っ込み始める称号、大学時代はそう思っていた年齢である。気付けば35歳、よく言う四捨五入で40だ。なにも、四捨五入する必要は無いのだが何故か皆、四捨五入したがる。特に年齢ごとは……。三十路は瞬きする間に過ぎ去った。思い返せば、大切な宝物のような出来事やそれに付随して必ずや貴重な人との出逢いがあった。

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今年で満50歳の上司、関さんも自分の人生において大切な一人だ。四捨五入しなくても50。コロナによる景気後退は前例のないもので政府の財政は逼迫(ひっぱく)せざるをえないなか、自分たちの保険業界は顧客や代理店などの長期的な友好関係が影響を和らげてくれている。経済が病原菌に対抗できるのは、ワクチンではなく積み重ねてきた人との信頼にほかならない。近年のグシャグシャな日々を関さんの判断力と突破力で乗り越えてきた。この人がいるから自分は仕事ができている。コロナ禍になってより感じる日々だ。この人といれば「なんとかなる」そう思わせてくれる力と信用性はすごい。保険は「安心」を届ける。顧客にとっての印象を大切にと語る関さんの服装はいつも気を使ったオシャレさに包まれている。彼の部下たちは自分を含め、その影響下にあり、皆お洒落(しゃれ)を大切にしているおかげで、ちょっぴりだが女子にモテる瞬間も無いとは言えない。今の彼女も第一印象で高評価を得られたお陰でお付き合いまで漕ぎ着けた。先輩にまたまた感謝だ。

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BARにはたくさんの特徴があり、店選びは一日の善しあしを左右するほど大事な選択であると関さんは良い店に当たったときほど語る。仕事が一段落して、とか、打ち上げふうに、などで行くことはないこのBAR……。落ち着いた心癒やされる雰囲気の隠れ家ではあるのだが、「何かの途中」生き絶え絶えの苦しい状況下で救われたくなる「砂漠の中のオアシス」的な存在のBARである。コロナに振り回され問題山積みの中、つかの間の緊急事態宣言解除に伴い、一日の締めくくりにと
久々この店の夜景が静粛のなかダイナミックに出迎えてくれた。

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