調べ・見立て

バレンタインデーとホワイトデーはオフィスからなくなるのか!?
ポストコロナ時代の新しいコミュニケーション術を探る。
編集長の「見立て」。#64

2023.02.13

500_2023valentine_result01

バレンタインデーに女性から男性にチョコレートを贈る習慣は日本独自のものであるのは、よく言われることです。そもそもは、兵士の結婚が許されなかった3世紀のローマ帝国で、政策に逆らって恋人たちを結婚させたキリスト教の司祭バレンティヌスに由来しています。彼が処刑された2月14日を、後世の人々が「Saint Valentine’s Day(聖バレンタインの日)」と呼んで、愛の守護神であるバレンティヌスを讃える日としたのです。欧米では、恋人や友達や家族がプレゼントを贈って、お互いに感謝を伝えます。それが日本では、戦後間もない1950年代に、チョコレートメーカーや百貨店がバレンタインデーの広告を新聞に掲載して販促活動をしたことで、一気に「チョコレートを贈る日」となりました。男性が女性に花束を贈るのが一般的なアメリカのビジネスパーソンから見ると、こうした日本の習慣はとても不思議に映るようです

アエラスタイルマガジンの「調べ」アンケートで、「仕事関係者からのバレンタインの贈り物を期待していますか?」と問うてみました。「当然もらえる」と自信満々に回答したのは33%、「もらえたらいいなぁ」と期待しているのも40%。「会社で禁止されている」という回答も10%あります。職場や仕事関係の男性に女性が「義理チョコ」を贈るようになったのは1980年代の前半のことですが、ここにきてバレンタインデーにも変化が見られます。

500_2023valentine_result02

ホワイトデーもまた、日本独自の習慣です。とはいえ、「義理チョコ」をいただいた仕事関係者にお返しをしないのはいかがなものでしょうか。「仕事関係者にホワイトデーのお返しをしていますか?」の問いに、「気づかないふりをする」7%の回答は言語道断。「モノに込めない気持ちだけ返す」の16%についても、チョコレートを贈った側からすれば残念な態度といえるでしょう。ホワイトデーをうっかり忘れてしまうことが多くて……というビジネスパーソンには、若い世代から始まった「友チョコ」の習慣にのっとって、バレンタインデーに男性女性関係なくチョコレートを贈り合うことをおすすめします。

500_2023valentine_result03

お中元、お歳暮、年賀状の習慣が虚礼廃止でなくなった会社も多いようです。バレンタインデーやホワイトデーについても、職場で必要な文化だと思うかをアンケートしてみました。「必要だと思う」8%や「あったほうがいいと思う」11%は少数意見で、バレンタインデーは「義理チョコ」から「友チョコ」や「自分へのご褒美チョコ」へと変化しているのです。

いっぽうで、再びオフィスへの出勤が増えてきて、職場のコミュニケーションを構築し直すタイミングだとも感じます。例えば、男女関係なく会社のチームの有志でお金を出し合って買ってきたチョコレートやお菓子をオフィスの共有テーブルに設置して、仕事の合間にお茶と一緒に楽しむ習慣を取り入れてみてはどうでしょうか。新しい時代の、新しいコミュニケーション。どんな方法が求められているのか、引き続き注視していきたいと思います。

あなたへのおすすめ

トレンド記事

  1. ギンギラギンに、この先も。<br>─走りつづける男・近藤真彦の“やり方”とは?─【後編】

    ギンギラギンに、この先も。
    ─走りつづける男・近藤真彦の“やり方”とは?─【後編】

    週末の過ごし方

    2025.05.30

  2. 万平ホテルの「アップルパイ」。<br>すべて実食! 自慢の手土産 #148

    万平ホテルの「アップルパイ」。
    すべて実食! 自慢の手土産 #148

    接待と手土産

    2025.05.29

  3. ギンギラギンに、この先も。<br>─走りつづける男・近藤真彦の“やり方”とは?─【前編】

    ギンギラギンに、この先も。
    ─走りつづける男・近藤真彦の“やり方”とは?─【前編】

    週末の過ごし方

    2025.05.23

  4. ユニクロの最強コラボTシャツを知っている?<br>ピカソ&マティスの作品がプリントされていて神プライス。<br>ファッショントレンドスナップ213

    ユニクロの最強コラボTシャツを知っている?
    ピカソ&マティスの作品がプリントされていて神プライス。
    ファッショントレンドスナップ213

    カジュアルウェア

    2025.05.13

  5. マセラティ グラントゥーリズモ<br>【クルマ選び、2025年の正解とは?】

    マセラティ グラントゥーリズモ
    【クルマ選び、2025年の正解とは?】

    週末の過ごし方

    2025.06.03

紳士の雑学