紳士の雑学

ジャケットを構築するディテールを知る
[ショルダー、ラペル]

2017.09.27

ウエストシェイプが導くシルエットの妙。伝統的なあしらいに込められたTPOとの相関関係。手の込んだ仕立て業が生み出す軽快な着心地…。それらの差異に目を向ければ、スーツスタイルは実に楽しい。「神は細部に宿る」とは近代建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエの言葉。それは、大人の男の装いにもあてはまる。

Shoulder ショルダー

  • P_11_CATEGORY01_01
    ナチュラルショルダー
    パッドを使わないか、もしくはできるだけパッドを薄くして、誇張することなく、肩の形状に自然に沿わせたショルダーライン。
  • P_11_CATEGORY01_02
    パッデッドショルダー
    パッドをしっかりと使って、立体感のある男性的なフォルムを構築するショルダーライン。ブリティッシュスタイルの典型的な仕様。
  • P_11_CATEGORY01_03
    コンケーブドショルダー
    コンケーブドは「くぼんだ」という意味。全体に湾曲し、袖山にあたる肩の先端が反り上がって中くぼみの肩線を見せる構築的な仕立て。
  • P_11_CATEGORY01_04
    マニカカミーチャ
    イタリア語で「シャツの袖」。パッドや芯地がなく、袖山にいせ込みによる特有の縦ひだを見せる。軽やかな着心地と動きやすさを求めた仕様。

アームホールの重要性

P_11_CATEGORY01

腕まわりの動きやすさを左右するのがアームホール(袖ぐり)。小さいアームホールに大きな袖をいせ込む(立体的に沿わせる)ことで可動性を確保する。

Lapel ラペル(下襟)

  • P11_CATEGORY02_01
    ノッチドラペル
    ノッチ(V字切り込み)が、上襟と下襟の合わせで刻まれたラペル。片前背広襟ともいわれ、シングルブレステッドの上着に多用される。
  • P11_CATEGORY02_02
    ピークドラペル
    剣襟と呼ばれ、下襟の先端が上向きにピーク(山頂)のようにとがっている。両前背広襟ともいい、ダブルブレステッドの上着によく見られる。
  • P11_CATEGORY02_03
    フィッシュマウス
    下襟が水平にカットされたセミピークドラペルの一種。上襟の先は丸く処理され、下襟との切れ込みの形が魚の口を連想させることから命名。
  • P11_CATEGORY02_04
    段返り
    ローリングダウンラペルともいう。第1ボタンは完全に隠れ、対応するそのボタンホールはラペルを飾るように深く折り返される。

フラワーホールの使い方

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かつて上着が立ち襟だったころの第1ボタンホールのなごり。現在では、華やかな席でブートニエールやラペルピンなどの装飾物を挿す際に使用する。

出典:永久保存版「スーツ」着こなし事典(朝日新聞出版)

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