旅と暮らし
俳優・岸谷五朗、街を呼吸する。
第4回 銀座
2017.11.30
岸谷五朗が愛する街、ニューヨーク。ブロードウェー、オフブロードウェーを中心に、本場のミュージカルやストレートプレイを観るために足繁く通う。同時にショッピングももっぱら五番街。高級ブティックに行く際もカジュアルなコーディネートで出かけるが、靴にはこだわるという。
「スニーカーでも、レアなモデルを履いて行くとちゃんとわかるんですよね。こちらはラフな格好なんですが、靴を見て笑顔で迎えてくれる」
銀座もマンハッタンに似ている。交差する大きな通りを中心に、碁盤の目のように分かれた区画が並ぶ。左右にはファッション、宝飾、時計などハイブランドの旗艦店。同時に目抜き通り裏の小路は、反対側の歩道を歩く人と気軽に話せる親密な距離が保たれている。また大きな劇場や映画館など、上質なエンターテインメントが観られるスポットに近いことも共通点だろう。
大正時代にモボ、モガ、昭和39年ごろにみゆき族が現れたように、ここはかつてストリートファッションの聖地だった。いまとは比較にならないほど乏しい情報を元に、思い思いに着飾ったしゃれ者たちが集まっていた。彼ら、彼女たちの間にあったのは、見る、見られるという緊張感。そしてその集積こそが、銀座ならではの美意識を育んできた。
今回、岸谷が着用したのはジョルジオ アルマーニ。プライベートでも好きなブランドだという。
「たくさんの服のなかに、これは自分のためにあると思える一着がある。アルマーニ好きには、そんな思い入れをもつ人が多いんじゃないかな」
成熟したいまの銀座は安易にモードを追う場ではなく、スタイルをもつ者にふさわしいステージとなった。訪れる人と迎える側の視線の交差が、世界に名だたる街のハレを支える。
<銀座とは?>
中央通りと晴海通りが交差する四丁目を中心に、首都高速都心環状線と東京高速道路に囲まれたエリアを指し、1丁目から8丁目までで構成される。関東大震災と東京大空襲による度重なる被害にもかかわらず、世界でも有数のブランド街に発展。アパレルや宝飾、飲食に至るまで、出店すること自体がステイタスになっている。四丁目にある鳩居堂前の地価は日本一高いことで知られており、日本の不動産事情を推し量るバロメーターに。
<訪れた店>
アルマーニ/銀座タワー
ジョルジオ アルマーニの世界観をトータルで堪能できるタワー型ショップ。アルマーニ自身は銀座について「世界各地からさまざま人が訪れる交差点であり、そこで生み出されるエネルギーや刺激は非常に魅力的」と語っている。東京都中央区銀座5-5-4 アルマーニ/銀座タワー 03-6274-7000 営業時間11時30分~19時30分 不定休
アルマーニ/リストランテ ワインラウンジ
インテリアの隅々までアルマーニの美意識が行き渡るラグジュアリーな空間は、至福のくつろぎにぴったり。午後のお茶と夜のワインでリフレッシュしたい。昼はアフタヌーンティーセット¥4,180(税・サービス込)、夜はお酒と食事がセットになったアペリティーボ ボックス¥6,000(税・サービス込)がおすすめ。要事前予約。東京都中央区銀座5-5-4 アルマーニ/銀座タワー11階 03-6274-7005 営業時間 月曜-土曜11時30分~21時(フード L.O)、 22時30分(ドリンク L.O.) 日曜・祝日~19時(フード L.O.) 19:30(ドリンク L.O.) ※月曜が祝日の場合、日曜のラストオーダー22:30 不定休
<岸谷五朗(きしたに・ごろう)>
1964年生まれ。大学時代から劇団スーパー・エキセントリック・シアターに在籍し、舞台、テレビ、映画で活躍する。特に1993年「月はどっちに出ている」では映画初主演にして多くの映画賞を受賞し、高い評価を集めた。94年に独立後、同時に退団した寺脇康文と組み、演劇ユニット地球ゴージャスを主宰。出演以外に演出・脚本も手がけ、毎公演ともソールドアウトとなる人気を集めている。次回のプロデュース公演「ZEROTOPIA」は赤坂ACTシアター(2018年4月9日~5月22日)ほか、全国5都市で公演予定。チケットの一般発売はいよいよ12月9日から発売される。
https://www.chikyu-gorgeous.jp/vol_15/
ジャケット¥270,000、ニット¥195,000、パンツ¥123,000、靴¥98,000/すべてジョルジオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン 03-6274-7070)
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
Photograph:Satoru Tada(Rooster)
Styling:Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair:AKINO@Llano Hair(3rd)
Make-up:Riku(Llano Hair)
Text:Mitsuhide Sako (KATANA)