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新年の門出に、自分仕様をあつらえる。
【スーツ編】

2018.01.10

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ふと思い立って「新年に新しいスーツをオーダーしたい」と思っても、生地を選んで採寸して、仕上がるころにはもう2~3月になるかと思うと、なんとなく気持ちも削がれてしまう。ならば4月になってからにしようと思って、気がつけば5月。クールビズが始まり、いま仕立てるなら秋モノかな、でも暑くて生地を選ぶ気にならないな……。と、何かと言い訳しがちなのは「オーダースーツは仕上がりまで1カ月以上がかかる」からにほかならない。着たいときに着られないなら、既製品から選んだほうがよいという人は少なくないはずだ。

そんなオーダースーツに革命的なシステムが登場した。カシヤマ ザ・スマートテーラーは、採寸から仕上がりまで、最短1週間で完結するという。しかも、それが店に届くまでの期間ではなく、全国どこでも自分が受け取れる場所まで届く期間だという画期的なシステム。

これまで、1週間で仕上がるオーダースーツがあっただろうか。デビューしたばかりのカシヤマ ザ・スマートテーラーで実際にオーダーしてみるという企画趣旨に、半信半疑で参加してみることにした。通常、この手の企画は事前に発注しておいて、後日完成品が上がってから再度撮影するのがほとんどなのだが、今回はカシヤマ ザ・スマートテーラーにご協力いただいた実際のリポートである。

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オーダーの手順として、まずは店舗で採寸、もしくは出張採寸を予約する。お近くの店舗に来店して採寸してもらうか、あるいはフィッターさんに自宅や職場、学校などに出張採寸しに来てもらう2通りから選ぶことができる。来店採寸は都内6店舗をはじめ全国13店舗で可能だ。しかもこの場合、店舗に在庫のある生地見本が多いため、生地の選べる幅が広いという。出張採寸はエリアと選べる生地が限定されるが、東京23区内近郊までと、札幌、愛知、大阪、広島、福岡の都市部に対応している。友人や職場の仲間と一緒に採寸してもらうことも可能だ。

今回は取材撮影を兼ねているので、事前にカシヤマ ザ・スマートテーラーのPR部門を通して採寸日を申し込んだが、PC、スマホ、タブレットなど、ネットに接続できる環境があればカシヤマ ザ・スマートテーラーのWEBサイトで簡単に予約することができる。

データはすべてサーバーで管理されるので、2回目以降のオーダーは会員ページにアクセスするだけで、採寸不要でオンライン購入できるのは便利。その際、少し数字を修正することもできるようで、前回の採寸時よりちょっと体重が増えちゃったときなどにも対応できそうだ。とはいえ、確かな採寸はやはりプロに任せるほうが安心だが。

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予約した日時に店舗に伺い採寸を行う。今回は吉祥寺店にお邪魔した。まずは胸囲や胴囲、裄丈、肩幅など、主だった箇所を採寸する。数値に合わせて、実際のサイズのゲージ服(あらかじめ作られているサンプル服)を着用して、丁寧に細部の数字を決めていく。フィッターさんはオンワード樫山の各店で紳士服に関わってきた経験ある方ばかりだ。なかには定年退職したのちに、フィッターとして戻ってきたOBもいるとのこと。熟練の技術者ばかりなので、安心して任せることができる。

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採寸が済んだら、生地とディテールデザインを選んでいく。オリジナルのバンチからは3万円、4万円、5万円の3クラスの生地を選ぶことができる。3万円の生地はリーズナブルで取り扱いやすいポリエステル混。ウール100%にこだわりたい人には4万円のバンチがおすすめだ。5万円のバンチには、インポートの高級生地もラインナップされており、どの価格帯にもビジネス使いしやすいベーシックな色柄がそろっている。

ジャケットのタイプは3つボタン段返り、2つボタンのピークドラペルなど8種類を用意(ダブルは別途オプション料金 ※シングルスーツ時の10%アップ)。ベントの有り無し、裏地の総裏、背抜きなどを選択し、袖ボタンの数は無料で変更可能だ。ボタンはオプション料金で本水牛やナット、メタルボタンを選ぶことができる。

スペアパンツ(※2 シングルスーツ代金の30%)やベスト(※2 シングルスーツ代金の30%)なども追加でき、オーダーの自由度は高いと言えよう。今回は取材ということもあり、オプションはすべて省いて最もベーシックなオーダーを依頼した。完成品はモデルの山田さんにプレゼントするため好みの色柄を選んでもらうと、4万円の生地バンチからウール100%のネイビーグレンチェックを選んだ。英国柄を今風にアレンジした生地選びだ。

すべて完了したら、料金を支払って完了。果たして、本当に1週間で届くのだろうか? スタッフは少し疑心暗鬼だったが、カシヤマ ザ・スマートテーラーの広報担当者は「大丈夫」と太鼓判を押す。それでは後日完成品の撮影時にお会いしましょうと、この日の取材撮影を終了した。


最短1週間で…

採寸データは海外の提携工場とWEB経由で共有され縫製完了までは約4日。梱包、発送などの作業まで2〜3日、成田に到着すると、店舗を経ずに注文主の指定した場所まで直送されるのだという。いやはや、異例の早さだ。

完成品撮影の当日。それまでスーツは箱の中で眠っていた。ようやく対面した実物の箱はスケードボードが入っているのかと思うほど、やけに小さい。開梱すると、オリジナルのハンガーと新開発された圧縮パッケージにスーツが入って3つ折りにされている。真空パックとは異なるらしく、封を切ると1時間後にはスーツが膨らんで元通りに回復する。肩まわりやラペルの折り返し部分などがぺったりとして回復しないのではないかといった心配は、このあと見事に無用となることに。

動画撮影しながら開封したスーツを見ると、ラペルも肩もプレスされたように圧し潰されているのではなく、きちんとロールを残していることがわかる。そして眺めているとみるみるその厚みを増していくのだ。付属のハンガーに掛ける頃には、脇部分のシワを残してほぼ回復している。この脇ジワも1時間後にはほとんど気にならないぐらいまで回復していた。スチームアイロンをかければ、すぐにでも着られるだろう。

モデルの山田さんが袖を通すと、確かにジャストフィットする。「撮影などでスーツを着る機会は多いですが、これは本当に身体にぴったりです」とは当然な感想だが、既製品スーツの撮影が多いだけに、その差は歴然。肩の納まり具合、袖丈のちょうど良さ、パンツの裾もこだわりのダブル5cm幅も見事にハマっている。このレベルのスーツが1週間、実際には10日ほどで完成するとは。既製品の場合にウエストの出し詰めや袖丈の修正など細かなお直しを入れて完成する日数とそれほど変わらず、しかも、すべてにおいて自分だけの一着が仕上がるのは確かに画期的だ。完成する頃の季節を気にすることなく、いま着たいジャストフィットのスーツをあつらえるという、新しいオーダーシステムの登場はスーツ業界の偉大なるイノベーションであることを実感した日だった。

この日の撮影終了後、山田さんはシャツもタイも私物だったため、靴だけ履き替えてカシヤマ ザ・スマートテーラーのスーツのままで帰って行こうとした。あまりにジャストフィットしすぎていて、私服と勘違いしたのかもしれない。

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https://kashiyama1927.jp/

掲載価格はすべて税抜きです。

【シャツ編】はこちらから

【靴、鞄&革小物、スラックス編】はこちら

Photograph: Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling: Yoichi Onishi(RESPECT)
Hair & Make-up: Ryo(COME HAIR)
Text: Yasuyuki Ikeda(04)

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