旬のおすすめ
名門靴店が考える、新春に買うべき靴10足。
【第7回】カルミナ
2018.01.18
1984年、「日本に知られていない海外の優れた靴を紹介するセレクトショップ」をコンセプトに創業したトレーディングポスト。以来、30年以上にわたり、洒落者(しゃれもの)の“足元“を支えつづけてきた。
そんなトレーディングポストを運営するプレステージシューズ マーケティング部の村井久哲さんに、いま買いたい靴を、ドレスシューズを中心にセレクトしていただいた。タイムレスな定番から、“いま”の気分を反映したモデルまで全10足。
第7回は、スペインのマヨルカ島から届けられた、セクシーさ漂うカルミナのダブルモンクブーツ。
スペインにおける靴製造の拠点として知られるマヨルカ島。そこで19世紀から3代続く靴製造業の家系に生まれた、ホセ・アルバラデホ・ブハーダス氏。彼が、かつてヤンコという高級靴ブランドを手がけていたことを、ご存じの方もいるかもしれない。そのホセ氏が、自身の理想とする高級靴づくりをさらに追求するべく、1997年にスタートさせたブランドがカルミナである。グッドイヤーなど、伝統的な製法にこだわりながら、色気のあるデザインで人気を博している。
「トレーディングポストでは、カルミナ創立当時から20年近く取り扱ってきています。そのなかで、最新作と言っていいのが、このダブルモンク。とにかく、ひと目見て格好いいと思える靴ではないでしょうか。アッパーには、最近人気の高い、ムラ感のあるミュージアムレザーを使用しています。グラデーションのなかに、トウ部分のメダリオンや、バックルがアクセントとなっています。シャープなチゼルトウも、セクシーさを感じさせます。
アンクルの部分は、あえてアンライニング仕様とすることで、履き口の足あたりをやわらかくしてあるほか、底材には、ドイツのレンデンバッハ社製のオークバークを採用するなど、見た目だけでなく、細部までしっかりと作り込まれていることは、言うまでもありません。
トレーディングポストでは、5年、10年履けて、修理をしながらさらに長く付き合ってもらえる靴を提供しています。デザインのクセが強すぎると、早く飽きがきたり、時代感にそぐわなくなったりしますが、このカルミナのデザインは、エッジが利きながらも、長く履けるデザインと、製法を採用していることも特徴ですね」
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
Photograph:Mitsugu Inada
Styling:Tomohiro Saitoh(GLOVE)
Text:Yasushi Matsuami