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これは、買っていい。
[第3回]バーニーズ ニューヨーク別注のワラビーブーツ

2018.01.24

柴田 充 柴田 充

これは、買っていい。<br>[第3回]バーニーズ ニューヨーク別注のワラビーブーツ
クラークス オリジナルのワラビーブーツ 各¥29,000(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター 0120-137-007)

誰だって若かりしころのファッションは気恥ずかしいものだ。振り返ってみれば学生時代のレインスプーナーのバックプリントのプルオーバーシャツに、ファーラーのホップサックパンツ。さすがにプカシェルのネックレスは着けなかったけれど(注:実年世代の専門用語は検索で)。もしいま目の前に当時の自分が現れたら、間違いなく他人の振りをするだろう。

そんな足元を飾ったのがワラビーブーツだった。当時クラークスは遠い舶来ブランドで、お茶の水にあった平和堂靴店オリジナルを愛用した。ところがここ数年、ワラビー人気が復活しているようだ。火付け役は映画監督のウェス・アンダーソン。作品はいずれも独特の美学にあふれ、衣装デザイナーのミレーナ・カノネロを起用した登場人物のファッションも秀逸。そして本人はというとビスポークのスーツに、足元はワラビーが定番スタイルなのだ。

この冬のクラークス オリジナルのワラビーブーツは、バーニーズ ニューヨークの別注でクードゥーという有蹄類(ゆうているい)のレザーを使う。なんだか正体不明の謎の生き物のようだが、どうやらアンテロープ(れいよう)の一種らしい。レギュラーモデルの豚革に比べるとやわらかく、シワやムラの入った革の風合いも味がある。これはいいぞ。30年以上ぶりに手に入れた。

履いてみるとこんなに履きやすかったかと驚く。“抜け感”どころか、本当にヌケた感じだが、餃子のような見た目だってどこか憎めないじゃないか。最近はパンツも太くなり、リラックスしたスタイルにもピッタリ合うだろう。一周回ったファッションはオヤジにも優しいのだ。

真っ赤な極厚ウールのカバーオールとコーデュロイのデカパンに合わせれば気分もご機嫌になる。でもそんなスタイルを見たら、かつての自分からも目をそらされそうだ。

プロフィル
柴田 充(しばた・みつる)
フリーライター。コピーライターを経て、出版社で編集経験を積む。現在は広告のほか、男性誌で時計、クルマ、ファッション、デザインなど趣味モノを中心に執筆中。その鋭くユーモラスな視点には、業界でもファンが多い。

掲載した商品は税抜き価格です。

[第2回]ライカCL

Photograph: Mitsugu Inada
Text:Mitsuru Shibata

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