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ソーヴィニヨン・ブランの魔術師、パスカル・ジョリヴェのプイィ・フュメ
[今週の家飲みワイン]

2018.03.30

小松宏子 小松宏子

ソーヴィニヨン・ブランの魔術師、パスカル・ジョリヴェのプイィ・フュメ<br>[今週の家飲みワイン]

ロワール川を挟んで、サンセールと対岸に位置する生産地。ここで造られる白ワインがプイィ・フュメと称される。フュメとはフランス語で燻煙されたという意味。というのも、このエリアが牡蠣の殻を多く含む石灰質とキンメリジャン土壌でできているため、この地で育つソーヴィニヨン・ブランに特殊な香りが付くのである。

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今回紹介するのが、ソーヴィニヨン・ブランの魔術師の異名をとるパスカル・ジョリヴェの作品。「“自然に手を加えない”がモットーのジョリヴェ氏。極力、農薬や肥料は与えず、本来ぶどうに備わった力を大切にする、ナチュラルなぶどう栽培を実践しています。発酵にはぶどうの果皮に存在する天然酵母を使用し、亜硫酸塩(酸化防止剤)は不使用ですから。ぶどう栽培からボトリングまで、一貫して、自然な姿勢を大事にしているのです」と大橋さんは言います。

ロワール川の右岸にあるプイィ・フュメはサンセールより川下にあるため、両方の土質である粘土質と石灰岩質が混じることが多く、より複雑味のある仕上がりになり、スモーキーなミネラル感が印象として強くなる。柑橘系のすっきりした酸が特徴のサンセールの辛口とはまたひと味違う、キリッとした味わいが楽しめる。

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「パスカル・ジョリヴェがワイナリーを買い取ってワインを造りはじめたのは1980年代初めですが、発売当初からミシュランの星付きレストランで使用されるなど、高い評価を得て、以来ずっとロワールのワインの方向性を牽引してきたと言われるほどです。魚のソテーなどにはもちろん、天ぷらにもとても相性いいですよ」と大橋さん。確かに、きすや穴子などの白身魚の天ぷらとは抜群の相性だ。余計な甘みがない分、日本料理とも合いやすい。しかも3000円代とは、まさに、食事と楽しむ家飲みワインとしては申し分ない。

<<セバスチャン・リフォー

シャトー・ポタンサック>>

Photograph:Makiko Doi

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