週末の過ごし方

ハイパフォーマンスを作る、超「姿勢」力講座
【第８回】自覚症状が得られにくい首猫背

2018.04.16

写真・図版松尾伊津香

こんにちは。

現代の猫背は複雑化している。昔は猫背というと「背骨が丸まっている」ということだった。しかし、いまは携帯やパソコンの長時間使用により肩や首の関節が変形してきてしまっている。私はこれを肩猫背、首猫背と呼んでいる。

そして前回は肩猫背にフォーカスをあて、首猫背を改善するストレッチを紹介した。

今回は首猫背に関してお話ししようと思う。

首猫背という言葉は聞き慣れないかもしれないが、これは私が作った造語だ。しかしこの首猫背を侮ってはいけない。一見はたから見て猫背に見えずらく、自分では気づきにくい特徴をもつため、自覚症状がないことが多い。

果たしてあなたは、自覚症状のないこの首猫背に侵されていないだろうか……？

こんにちは。プロボディデザイナーの松尾伊津香です。私は現在、疲労回復専門ジムZERO GYMでビジネスマンに対して仕事パフォーマンスを上げるためのフィットネスと瞑想の指導をしています。

さっそく本題の首猫背に入っていきましょう。首猫背は言葉のとおり、首が猫背の状態です。図で示すとこのようになります。

一般的な猫背との違いがおわかりでしょうか。一般的な猫背は背骨全体が丸まっているのに対して、首猫背は首（頸椎）だけが極端に前に出ている状態のことを指します。

先ほど自覚症状がない方が多いと書きましたが、この首猫背の怖いところは正面から見たときに姿勢が真っすぐに見えてしまうことです。また、実際に背骨は伸びているので感覚としても猫背と気づきにくいのです。そのため、自覚症状が得られない方が多くなっています。

先日、上司が自分の写真を見てびっくりしていました。

「オレってこんなに首が前に出ているんだ……」

写真のように自分をはたから見る機会がないとこの首猫背は気づかないものなので、この記事を読んでギクッとした方は、ぜひ携帯のカメラなどで確認してみてください。

では、理論に入っていきましょう。首猫背の原因も、前回お伝えしたものと同様、「ディスプレーの引力」です。長時間のパソコン作業により、目（視覚）が引っ張られて柔軟な首だけが動いてしまっているのですね。

背骨はお尻（骨盤）から1個ずつ積み重なっていますが、すべてが同じ動きをするわけではありません。真っすぐに立ったとき、首は左右90度ほど度動きますが、腰はほぼねじれないですよね（もし腰がねじれているとしたら、それはお尻から腿まわりが一緒に動いているのです）？背骨はお尻に向かって動きづらく、首に向かって動きやすくなっています。

この体の原理が働き、首猫背の方は腰から背中は丸まらず、首だけが極端に前に出るという状態が固定されてしまっているのです。あなたの首はディスプレーの引力に引っ張られていませんか？

そして、これを改善するには……？
それはまた次回！

今日もよいビジネスライフを！

プロフィル
松尾伊津香（まつお・いつか）
疲労回復専門ジムZERO GYM エグゼクティブプログラムディレクター。『一生太らない魔法の食欲鎮静術～食事瞑想のススメ～』著者。ミスター＆ミスモデルジャパン2016 日本大会「ミス・モデルジャパンガールズ部門」3位。福岡県福岡市博多区出身。修猷館高校、関西学院大学文学部総合心理科学科卒業。在学中、心理学・精神医学を学ぶ傍ら、ヨガ哲学やメディテーションに出合う。アメリカ留学にてその知識を深め、帰国後は銀座でヨガインストラクターとして勤務。その後、全国に50店舗以上展開する女性専用ダイエット専門ジムShapes International の六本木本店店長兼スーパーバイザーに。現在は日本初の疲労回復専門ジム「ZERO GYM」で、働く人の心身のコンディションを整える指導をする傍ら、食欲や食事制限・リバウンドに苦しむ人たちの悩みと日々、向き合っている。
https://matsuoitsuka.com/
https://business-life.jp/

【第７回】スーツ姿を台無しにする肩猫背

【第９回】首猫背を改善するストレッチ

Illustration:KAZMOIS