旅と暮らし
加藤ミリヤの<仕事愛7か条> 後編
2018.06.28
デビューは16歳。女子高生のカリスマと呼ばれた時期を経て、いまも同世代の気持ちを代弁しつづけるシンガー・加藤ミリヤ。ファッションデザイナー、また小説家としての顔をもち、着実にキャリアを築いてきた彼女が、30歳を迎えようとしている。デビューから14年、どんな時代を生きたのか、そしていま、何を考えているのか。音楽とビジネスに身を浸したからこその、生の仕事論を語ってくれた。
5、不安と向き合う方法を持っている
その不安とは、どう向き合っているのだろうか。
「詞を書くこと。曲を作ること。それが私にとっての救いなんです。自分の内側にある、このどうしようもない気持ちを創作活動で浄化していると言ってもいいのかも。作る前は悩んでいても、だんだん心が穏やかになる。そして少しずつ答えが見つかっていく。だから本当に大切な作業だし、そうやって生まれたものをスタッフ全員でどうすればより多くの人に聴いてもらえるのか、必死で考えて商品にしています。『これ、ホント美味しいからどう?』。いつもそんな気持ちでいるんです」
6、ピークを作らない
さらに、時代の変化にただ戸惑うよりは、自分の本質を見失わないことが大切という考えにもたどり着いた。
「私の立ち位置は、ポップだけどコア。メジャーだけどアンダーグラウンド。これはずっと変わらないもので、デビュー当時にブランディングしたものなんです。テレビ出演は年1回ほどに押さえたりなど、ピークを作らないようにしてきました。理由は、ピークを作ると飽きられるから。今こそ、その原点を大切にすべきだと思っています」
7、受け手に立ってジャッジする
そして聞きたかったのが、ジャッジの基準について。14年ものキャリアの中でジャッジの瞬間は星の数ほどあったはずだが、何を決め手にしてきたのだろう。
「仕事面なら、それが受け手によい影響を及ぼすかどうか。今の時代、受け手の目はどんどん肥えて、厳しくなってきている。ファンの方はもちろん、そうでない方にも私の歌を届けたいですから。またプライベート面では、そうしている自分が想像できるかどうか。できれば即行動します。ちなみに今、想像してやまないのが、ジャマイカにいる自分。近いうちに訪れたいと思っています」
番外編、男性をリスペクトする
さて、そんなミリヤさんが男性に求めるものとは?
「強い男が好き。強い人には自信がある。その自信は努力をしてきているからこそ、強さとして滲み出るものなんだと思うんです。実は私、男性の後ろを三歩下がってついていきたいタイプ。恋愛に関しては、すごーく古臭い人間なんです」
Text : Maho Honjyo