旅と暮らし
世界最南端の5つ星ホテルを拠点に
ワイルドライフを堪能する!
2018.07.13
Arakur Ushuaia Resort & Spa(アラクル ウシュアイア リゾート&スパ)
ウシュアイア/アルゼンチン
アルゼンチンのウシュアイアは、南極への玄関口である世界最南端の街。“世界の果て”とも呼ばれ、飛行機と陸路はこの街が終点だ。東京からは最短でも3度飛行機を乗り継ぐ必要があり、片道約50時間。気が遠くなるほど遠い地なのだが、2度訪れた。2度目があった理由は、そのダイナミックな自然に魅せられたから。アクティビティーのいちばんの目玉は、ビーグル水道という全長約240kmの海峡へのクルージング。たくさんの島々が存在するこの海域には、ペンギンやアシカ、海鳥が多く生息し、運がよければクジラに会うこともできる。まさに、海のワイルドライフを垣間見られる地なのだ。
そんな街にある唯一の5つ星ホテルが「アラクル ウシュアイア リゾート&スパ」。街から少し離れた自然保護区の山の上に位置し、絶景を眺められるのは言わずもがな。特に屋外ジャグジーが天国! 何にも遮られることなく目の前に雄大なビーグル水道が広がり、逆側には雪をかぶった山々がそびえ立つ。さらに街も見下ろせ、ここから見えない世界はないというような満足感があふれてくる。インスタでホテル名を検索すると、絶景ジャグジーでポーズを決めるゲストの投稿が多数見られ、誰もがスーパーリラックスモードなのだ。
もちろん、客室からの眺めもよく、海峡ビューかマウンテンビューかは好み次第。部屋もパブリックスペースも持続可能な建築の基準に従っていて、くつろぎやすい。また、バスタブがあるという5つ星ホテルでは当然とも言えることが、この地ほどありがたく感じたことはない。なぜなら、ビーグル水道へのクルージングは季節によっては非常に寒く、ペンギンの島に行った時は風も強く凍えた(3月上旬)。そこからの、湯を張ったお風呂に入ることの幸せたるや、いまの便利な生活ではそうそう味わえないものだった。
ほかのアクティビティーとしては、ホテル裏山へのトレッキングが手軽ながらも絶景を楽しむことができる。ホテルを出てすぐにさまざまな表情をもつ山道が始まり、木に結ばれたリボンを目印に歩けば迷うこともない。リボンの色ごとにショートかロングにコースが分かれており、ちょっと時間が空いたときに小1時間歩くのもいい。
2度目に訪れたときの帰り道、“さすがにこれが最後だろう”と思ったウシュアイアだけれど、心残りなのがまだ冬(6~8月)の姿を見ていないこと。もし3度目があるとしたら、またこのホテルに泊まりたい。実現した際のお風呂はいっそう気持ちいいはずだ。
ザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド
0120-086-230(平日9:30~18:00、土日祝休)
プロフィル
大石智子(おおいし・ともこ)
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、年に10回は海外に渡航。タイ、スペイン、南米に行く頻度が高い。最近のお気に入りホテルはバルセロナの「COTTON HOUSE HOTEL」。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。