旅と暮らし

伝統を継承しつつ、独創的にアレンジした
江戸前寿司の名店[部長の名店]
鮓職人 秦野よしき

2018.10.01

写真・図版
赤酢めしに合う魚を吟味して小さめに握られた鮨は、見た目にも美しく迫力がある。誰もが再び食したいと感じる碗ものは、丁寧に出汁をひいて作られた逸品。無添加・無農薬のしょうがを丸ごと使ったガリは目の前で角切りに。締めのカステラ卵焼きは江戸前の伝統。チーズケーキのような味わいだ。日本酒のほか、ワインの品ぞろえもいいと評判。

接待、歓送迎会、家族の記念日に使うハレの店なら、部長に聞こう。今日は自分においしいランチを奢(おご)りたい、そんな日も部長に聞こう。そっと会社の近くのいい店を教えてくれるはずだから。

さまざまな企業で働く部長たちに聞いた「名店」をご紹介します。

店名に自らのフルネームをつける、そこからして、若き大将の〝自信〞と〝研鑽(けんさん)〞を感じる麻布十番の鮨の名店。

席はカウンター9席と4席の個室カウンター(個室料5000円〜)。共に18時〜と20時30分〜の2部構成となっており、遅刻しても宴はスタートする。お料理はお任せコースのみ(1万8000円〜)。つまみ8品、握り12貫、巻き物など全23品の饗宴だ。

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こだわるのは江戸前。毎日、築地に出向き、季節の最高級食材を仕入れるが、赤酢めしにこそ合う魚を選び抜く。吟味されたネタは酢で締め、塩で締め、熟成させ、最もふさわしい状態に仕上げる。その裏にあるのは、大将の科学的根拠だ。「寿司はネタを載せるだけのものではない」という言葉どおり、食材の化学変化に注視する。カウンター内側から、その講釈を聞けるのもこの店の醍醐味(だいごみ)だ。

写真・図版

時にフレンチやイタリアンの技法も採り入れる独創性は〝鮨屋の挑戦〞が形になったもの。その探求心にインスパイアされる。

<<味、質、量、値段、すべてに満足度が高いクラシカルなフレンチ

  明るい店内とたっぷりの野菜でリフレッシュランチを>>

Photograph:Reiko Masutani
Text:Sachiko Ikeno

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