接待と手土産

すべて実食! 自慢の手土産。#3
「呼(こ)きつね」のいなり寿司

2018.10.15

すべて実食! 自慢の手土産。#3<br>「呼(こ)きつね」のいなり寿司

自分がもらってうれしい手土産を、自信をもって相手に贈ろう。

筆者がこのところ重宝している手土産が、「呼きつね」のいなり寿司。「手土産にいなり寿司?」と首をかしげる人もいると思うが、これが本当に使えるのだ。プライベートからビジネスまで、幾度となく使っているが、みんなの反応はすこぶるよい。なんと言ってもおいしい。ふわふわのおあげに相性抜群の酢飯とバラエティーに富んだ具材。そしてひと口でぱくっとほお張れる小ぶりなサイズも高評価だ。

手土産というと、どうしても菓子類が中心になるが、たまには変化球もセレクトしたい。ただ、ご飯ものとなると、どうしても生活感が出てしまいがちなので要注意。こちらはルックスも申し分ない。パッケージは、まるで漆塗りの木箱のような上質な紙の化粧箱。「呼きつね」と書かれた白い熨斗(のし)がひと巻きされ、粋に割りばしが挟み込まれている。熨斗同様「呼きつね」のロゴが印字された箸袋もおしゃれだ。

ふたを開けると、整然と並んだいなりがなんとも美しい。緑の葉蘭(はらん)にくるりと巻かれた柴漬けが彩りを添える。贈る相手ともきっと同じ感動を共有できるだろう。自分がもらってうれしいものなら、相手も喜ぶに違いない。とつい妄想を膨らませてしまう。箱を開けても、酢飯がほとんど匂わない点もポイントが高い。この細やかな気遣いと粋なルックスこそ格上げ手土産には重要だ。

油揚げは、「南関揚げ」と呼ばれる熊本の特産品で、やわらかで独得の食感があり、ほかの揚げとはまったく違う。袋状の油揚げの中にご飯を詰めるのではなく、酢飯をお揚げで巻いている。米はこの揚げにいちばん合う数種類の米を自家ブレンド。ほんのりとやさしい味わいの揚げと上品な酢飯のバランスがすばらしい。基本の具材はゴマとクルミ、それに海苔、明太子、らっきょうなど季節の具材が数種類。ひとつ食べたらまたひとつとついつい手が出てしまう。

店は六本木駅から5分ほどの裏通りのちょっとわかりづらい場所にある一軒屋。いなり同様、凛(りん)とした雰囲気の小さな店だ。テイクアウト専門だが、事前の電話予約がベターだ。定番は20個の化粧箱入り(¥2,500)。箱入りはほかに27個入り(¥3,600)、48個入り(¥7,000)などがあり、季節ごとに替わる具材によって多少値段が異なる。

「呼きつね」という店名は、「福を呼ぶ、笑顔を呼ぶ、感動を呼ぶ」そんないなりを届けたいと名付けたそう。自信をもって贈るためにも、自分で実食することをおすすめする。きっと自分にも福を呼び寄せてくれるはずだ。

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呼きつね (こきつね)
東京都港区六本木7-12-12 小林邸1階
営業時間/10:30~19:00(18:30までに購入)
定休日/月曜日 ※月曜日が祝日の場合は営業
価格/20個入り2,500円~、27個入り3,600円~、48個入り7,000円~など
※価格はいずれも税込み
問/03-6434-9171

◎おすすめの手土産を探しているなら……

Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling:Keiko Katanozaka
Edit & Text:Mayo Morino

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