週末の過ごし方

魚介にも合う、なめらかなテクスチャーの赤ワイン
モリッツ ハウスマルケ レッド
[今週の家飲みワイン]

2018.10.19

写真・図版 小松宏子

写真・図版

多様な側面を持つオーストリアのワインのなかでも、「モリッツという造り手は、モダンオーストリアワインの象徴とも言えるワイナリーです」と、梁さんが最も注目するワイナリーのひとつであるモリッツ。オーストリアの最東端、ハンガリーとの国境沿いにあるブルゲンラント州に2001年に創業したワイナリー。

当主であるローラント・フェリッヒ氏はフランスのブルゴーニュや北ローヌなどで研鑽を積み、どの地域の模倣でもない、オーストリアが世界に誇れるワイン造りを目指している。樹齢の長い木を尊重し、フィネスとエレガンスを何より大切にしているそうだ。実は、この地におけるぶどう栽培の歴史はとても古く、紀元前700年にはケルト人がぶどう栽培を始めていたことがわかっている。つまり、本来的にぶどう栽培に適した土地であるわけだ。

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「モリッツのワインは伝統的でありながらモダンな側面を有し、都会の風を感じるハイセンスな造りが魅力です。ひと口飲めば、その特徴は歴然。まったく引っかかりを感じることのない、スムーズな飲み口。丸みを感じるテクスチャー。極端なナチュラルではなく、絶妙な肩の力の抜け方。“こういうワイン造りが目指せるのはセンスなのかなあ”と感じざるを得ないですね」と梁さん。そうしたテイストは具体的にはぶどうを不必要に遅く摘まない、搾りきらずに抽出をゆるやかにすることでよりしなやかで繊細な味わいを実現しているのだという。

オーストリアの重要な黒ぶどうにはブラウフレンキッシュ、ザンクトローレン、ツヴァイゲルトの3つが挙げられる。モリッツは特にブラウフレンキッシュにこだわりを持つ造り手で、その意味ではオーストリアで三指に入ると、梁さんも太鼓判を押す。本来、ブラウフレンキッシュ100%のワインを多く造っているが、このハウスマルケレッドはブラウフレンキッシュ30%、ツヴァイゲルト50%、ピノノワール20%のセパージュ。ハウスマルケというのはハウスワインという意味で、お客さまをもてなす看板ワインだからこそ、クオリティーの高いワインでなければならないという、造り手の思いが最も込もった一本と言える。

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その味わいは、生のプルーンのような、フレッシュだけれど凝縮した果実味、白コショウのようなスパイシーさが心地よく、独特の鉄分のような後味や香りがあり、それがまた個性にもなっている。

「ハウスマルケの特筆すべき特徴は、食中酒としての汎用性の高さです。魚料理までカバーできる貴重な赤ワインなんです。微妙な鉄分が感じられるのがひとつの個性で、マグロやカツオなど、赤身の魚とは抜群の相性を見せます。それだけでなく、イワシなどの青魚やサーモン、また牡蠣とも好相性。味噌のような濃厚な味にも負けず、西京焼きや味噌で煮込む牡蠣鍋にも◎。モリッツのすごくなめらかなテクスチャーと、牡蠣のぷるんとした食感がなんとも言えません」と梁さん。魚料理にも相性のいい赤ワインとして、日々の食卓で楽しんでみたい。

<<ヴィーニンガー ビザムベルク 2013

  ゼップ・ムスター ツヴァイゲルト2013>>

Photograph:Makiko Doi

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