旬のおすすめ
7つの視点で選ぶ。
男を格上げする「贅沢品」
視点2 快適
2018.11.29
もう中途半端なものはいらないのではないか。身につけた自分が輝く姿を想像できるような特別なものにだけ惹(ひ)かれる。それは、現代の贅沢品。上質な素材がもたらす肌触りや優れた機能性による快適さなど、7つの視点でいま欲しいものをリストアップした。贅沢品を、自分を磨き上げるためのひとつの手段と考えれば、必要なものが見えてくるに違いない。手にすることで得られる高揚感、それは明日からの活力ともなる。
服の本質とは、着用者の快適を保つことにほかならない。そんな本質を極めることは贅沢品の条件のひとつだが、快適さをもたらす機能を追求するあまり、服が無味乾燥になっては、成熟した男にふさわしいとは言えないだろう。高い機能に加え、上質な素材感や上品なデザインを兼ね備え、快適さだけでなく着用者の品格をも保つ。そんな服こそが、男の格を上げる。
<HERNOのコート>
快適さとは、変化する環境に合わせて着心地を最適化してはじめて得られる。つまり対応力が必要ということだが、ヘルノのコートは、ときに劇的な環境変化にさらされるアウトドアで磨かれた対応力を備える。一見、ベーシックなバルカラーコートの素材は、防水・透湿・防風性を備えた「ゴアテックス®」。急な雨に降られても気にならず、室内外で寒暖差がある冬場でも衣服内の蒸れを軽減する。また薄いダウンが内蔵されているが、ダウンステッチがなく端正な表情で、着膨れしないすっきりしたシルエットと相まって、ビジネススタイルに自然と溶け込む。環境だけでなく、スタイル面での対応力にも優れた秀作だ。
<MACKINTOSH LONDONのジャケット>
服の快適さと上質感は両立が難しいもの。だがマッキントッシュ ロンドンのキルティングジャケット「ワトソン ロング」は、そんな既成概念を覆す。ウール素材やロゴ入りのボタンを用い、乗馬用のナイロンキルティングジャケットをドレッシーにアレンジしたモデルだが、新作は天然素材の風合いや表情を損なうことなく撥水・透湿・防風といった機能を付与する、ロロ・ピアーナ社の「ストームシステム」採用のウール生地を使用。キルティングの中綿にも衣服内の湿気で発熱するものを採用するなど、機能と気品を併せもつジャケットだ。
<GOTAIRIKU×ADSのコート>
日進月歩に進化しているテクノロジーは、私たちに未体験の快適さをもたらしてくれる。オンワード樫山が独自に開発した新構造のダウン素材「ADS(アドバンスド ダウン システム)」を着脱が可能なインナーベストに搭載した五大陸のコートも、軽く暖かでやわらかく、通常のダウンとは別格の着心地が味わえる。アウターシェルは伸縮性と形状回復性を備える帝人フロンティアの「ソロテックス®」素材で、窮屈感がなくシワにもなりにくい。またアウターとインナーは組み合わせるだけでなく、それぞれ単品でも着用できるため、幅広く着まわせる。
Photograph:Osami Watanabe
Styling:Masayuki Sakurai Akihiro Mizumoto
Hair & Make-up:Masayuki(The VOICE)
Text:Yasuhiro Takeishi(City Writes)
Edit:Kenji Washio