旬のおすすめ

トレンドの潮目。
ニットスタイルは、どこへ向かう?

2019.02.07

柴田 充 柴田 充

トレンドの潮目。<br>ニットスタイルは、どこへ向かう?

ピッティ会場を回っていると、メンズクロージングのカジュアル化を強く感じます。来場者もかつてはスーツ姿が多かったものですが、いまではジャケットやブルゾンが主流となり、ドレスシャツにタイドアップという着こなしも少数派に。

そのなかでクローズアップされるのがニットであり、グランサッソはメイドインイタリーの品質にこだわり、3代続く家族経営を守るニットブランドです。デザイナーのカルロ・ディ・ステファノ氏に話を聞きました。

1050_81D0658

「まず新作のトピックスとして挙がるのが、トラベルウールですね。旅行者の快適性を考えて開発しました。コンパクトになり、畳んでもシワが寄らず、若干の撥水性もあります。ウォッシャブルで自宅でも洗えるので、旅先でも重宝しますよ。通気性が高いのも特徴です。ジャケットとポロ、パンツ。ボマーやクルーネックなどアイテムのバリエーションも豊富です」

これまで化繊の機能性素材が多かったトラベルユースのアイテムに対し、発色のいい同系色でまとめたスタイリングは新鮮な印象を与えます。

「移動や旅先ではスニーカーにイージーな格好でもいいのですが、やはりジャケットやシャツがあればドレッシーでいられます。またスポーティーな機能性素材のパンツと合わせれば、より現代的なラグジュアリー感が演出できます。トラベルウールは、糸の段階から開発し、ケミカルな加工をせず、ビオロジカルなので肌に優しいのも特徴です」

1050_81D0646

ニットという天然素材を扱うからこそエコロジーに対しても積極的に取り組みます。エコムートンもそのひとつ。

「数年前に発表して日本でも評判になりましたね。新作ではより改良を加えました。メリットは、やはりサスティナビリティーということ。動物保護や自然環境の保護の観点から、私たちはフェザーダウンの使用も控えています。また機能的にもドライクリーニングでき、耐久性も優れます。カラーリングできるのも特徴で、袖のニットとのカラーコーディネートで新たな表現ができます。私たちはニットブランドとして培った技術的な強みとともに、従来のニットの概念を超えて、ジャケットやブルゾンといったアウターへの可能性も自由に広げていきたいと思います」

1050_81D0665

http://sdijp.jp/brands/gransasso

<<トレンドの潮目。ジャケットスタイルは、どこへ向かう?

プロフィル
柴田 充(しばた・みつる)
フリーライター。コピーライターを経て、出版社で編集経験を積む。現在は広告のほか、男性誌で時計、クルマ、ファッション、デザインなど趣味モノを中心に執筆中。その鋭くユーモラスな視点には、業界でもファンが多い。

Photograph:Mitsuya T-Max Sada
Text:Mitsuru Shibata

あなたへのおすすめ

トレンド記事

  1. 猛暑を快適に過ごす、紫外線対策&“涼やか”アイテム5選<br>【vol.5 パワーアークのウェアラブル ネック クーラー エア】

    猛暑を快適に過ごす、紫外線対策&“涼やか”アイテム5選
    【vol.5 パワーアークのウェアラブル ネック クーラー エア】

    小物

    2025.08.06

  2. デンマークの暮らしはなぜステキ?<br>吉田さん、魅力を教えて!!

    デンマークの暮らしはなぜステキ?
    吉田さん、魅力を教えて!!

    週末の過ごし方

    2025.08.08

  3. 町田啓太さん登壇の発表会で披露!<br>アメリカン・エキスプレスの人気カードに<br>華やかな新色「ローズゴールド」が登場。

    町田啓太さん登壇の発表会で披露!
    アメリカン・エキスプレスの人気カードに
    華やかな新色「ローズゴールド」が登場。

    週末の過ごし方

    2025.08.07

  4. 約50点の最新コレクションが登場!<br>ユーズドスーツケースに新たな命を吹き込む、<br>「リモワ」の人気プログラムが8月5日スタート。

    約50点の最新コレクションが登場!
    ユーズドスーツケースに新たな命を吹き込む、
    「リモワ」の人気プログラムが8月5日スタート。

    バッグ

    2025.08.01

  5. モルディブで考える<br>楽園旅を“最高”にする条件は?<br>OZEN Life Maadhoo 編

    モルディブで考える
    楽園旅を“最高”にする条件は?
    OZEN Life Maadhoo 編

    週末の過ごし方

    2025.08.08

紳士の雑学