旅と暮らし

「自然×テクノロジー」シアトルに見る新しい時代のムード
<後編>

2019.05.24

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世界的大企業が集結するアメリカ・シアトル。美しい自然と最先端のテクノロジーが融合するこの都市は、新しい未来の形を世界に向けて発信している。近年、多くのビジネスパーソンを見かけるようになったが、実際にシアトルはいま、どのように変化しているのだろう。後編ではオフタイムに楽しめるスポットから見てみよう。

アメリカ最古の市場「パイク・プレイス・マーケット」

前編 でアマゾン本社やアマゾン・ゴー、スターバックス・リザーブ・ソードーなど、時代の流れを先導している場所を紹介したが、シアトルには一方で、アメリカ最古の市場も存在している。それが1907年に設立した「パイク・プレイス・マーケット」。さかのぼると、日本人がシアトルでファーマーズマーケットを始めたのが、この市場の始まりだったという、日本ともゆかりのある場所だった。

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辺りを見渡すと魚屋、八百屋、花屋、レストランやカフェから、ドーナツ、チーズ、トリュフ専門店、アンティークショップや雑貨屋など、多種多様なテナントが軒を連ねており、日替わりで地元の農家や漁師が販売する空間も確保されている。利益重視の経営ではなく、「生産者が見える」というコンセプトをいち早く打ち出したことでも有名だ。

かつてアメリカの多くの市場は、日本と同じように、大型小売店の出現によりその多くが廃業に追い込まれる時期があった。パイク・プレイス・マーケットも例外ではなかったのだが、この場所を支持するシアトル市民の反対運動により、取り壊しは中止。その後、シアトル市によって設立された非営利団体であるパイクプレース市場保護開発局(Pike Place Market Preservation & Development Authority(PDA))によって所有および管理されるようになり、「マーケットの建物市場で農場および食品小売業の機会を増やす。中小企業の育成と支援低所得者向けのサービスを提供する」と取り決められ、シアトルを象徴する公共空間としていまでもその社会的特徴が維持され続けてきた。

地元住民にも、観光客にも愛されている、シアトルのアイデンティティを体現している場所だ。

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    世界中の大企業が採用する組織改善のノウハウ「フィッシュ哲学」を生んだ魚屋。「遊ぶ・態度を選ぶ・注意を向ける・楽しませる」のマインドで活気に溢れている
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    シアトル発祥のスターバックス1号店もパイク・プレイス・マーケットにある
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    マスコットの豚「レイチェル」は募金箱。寄付金は低所得者の住宅やチャイルドケアの運営などにあてられる
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    床のタイルには、改装工事の資金を寄付した人々の名前が刻まれている
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撮影スポットとして賑わう、世界一汚い観光名所「ガムウォール」。その名の通り、壁一面あるのは色鮮やかなガムの数々。一年に一度大掃除され、再び多くの観光客によって新しいアートが生まれる

シアトル発祥の人気店

シアトル発祥のアウトドア・クロージング・メーカー「フィルソン」もまた、シアトルらしいフィロソフィを持つブランドといえる。ライフタイム・ギャランティー(寿命保証)をコンセプトに、経年劣化を楽しめるアイテムが揃い、破損した場合のお直しは何度でも無料。そして、使わなくなった自社製品は引き取り、パーツをはずしてリメイクを施し販売しているので、シアトル店では希少な一点物に出合える。

かつてゴーストタウンとなっていたジョージタウンに店を構えるチョコレート専門店「フランズ・チョコレート」も、シアトルに根付いた人気店。お店の隣接している工場では、細かいところまでひとつひとつ手作業で行なわれ、世界へ向けて出荷されていく。

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    フィルソン
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    店内にリメイク専門のスタッフがいる
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    自社工場で丁寧につくられる
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    フランズ・チョコレート

こだわり派も満足いく至福のホテル

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樹齢1500年の大木のオブジェ、エントランスには大きな暖炉と、着いてすぐに自然溢れるシアトルらしさを味わえるホテルが「ウィロウズ ロッジ」だ。数々の受賞歴をもつこのホテル、館内には広々とした庭園に、世界でもトップクラスのスパ、プール、ジャグジー、サウナ、ジムのほか、ノースウェストエリアで最も評価の高い2つのレストランが併設している。

ホテルの側の川沿いには有名なトレイルコースがあり、野生の鹿やうさぎがいるような道をレンタルバイクやウォーキングで楽しめる。日本陸上の大迫傑選手がトレーニングで使う「大迫コース」と呼ばれるものもこのエリアに。体を動かすのに最高な環境が整っている。

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    「ウィロウズ ロッジ」の入り口
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    世界各国のワインを提供するレストラン「バーキング フロッグ」
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    宿泊者以外も訪れるレストランの料理はどれも絶品
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    季節ごとに彩りが変わる庭園
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シャトー・サン・ミッシェル

ホテルから数分の徒歩圏内に、ワシントン州で最大で最高のワイナリー「シャトー・サン・ミッシェル」もあるのでぜひ訪れたい。1967年に設立、長い歴史を誇るここの広さは、なんと東京ドーム約9個分。ぶどう畑、醸造所、ワインショップがあり、人々が集うオアシスになっている。

米ロサンゼルス・タイムズ紙主催のテイスティングで、リースリングワインがトップ評価を受け、その後も数々のワインを発表するなど、常に前進している注目のワイナリーだ。

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    ワイナリーには野生の孔雀も遊びに来る
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    ワシントンワインや限定品もリーズナブルに味わえる

さて、最後にホテルの部屋を紹介しておこう。シアトルの家には暖炉があるのが一般的なのだが、「ウィロウズ ロッジ」の客室にも本格的な暖炉が設置されている。また、このホテルの部屋の魅力はなんといってもバスタブだ。シャワーブースとは別に、大きいバスタブがあり、海外では珍しい深さのあるタイプなので肩までゆったりと浸かることができる。シアトルの自然に溶け込むウッディな癒しの空間も相まって、身も心もじんわりとほぐされることだろう。

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シアトルは「エメラルドシティ」と呼ばれるように、水と緑が輝く大自然に囲まれた都市で、アメリカ国内の住みたい都市としても人気だ。自然の恵みを大切にする人々のライフスタイルに、近年、最先端のテクノロジーが加わり、世界的に見ても先進的な社会となってきた。シアトルを訪れれば、これから来る新しい時代の流れを感じてもらえるだろう。

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<掲載リスト>
パイク・プレイス・マーケット(1st Avenue & Pike Street, Seattle, WA)
フィルソン(1741 1st Avenue South Seattle, WA)
フランズ・チョコレート(5900 Airport Way S, Seattle, WA)
ウィロウズ ロッジ(14580 NE 145th St, Woodinville, WA)
シャトー・サン・ミッシェル(14111 NE 145th St, Woodinville, WA)

Photograph:Ari Takagi
Coordinate:Kyoko Matsuda
Text:AERA STYLE MAGAZINE
Special Thanks:Visit Seattle

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