腕時計
バーゼルワールド2019 リポート
ロレックス
2019.06.17

1月のジュネーブサロン(SIHH)に続いて、バーゼルワールド2019がスイスで3月21日~26日に開催された。時計はもちろん、宝飾系ブランドも新作を披露する大規模な国際展示会だが、今年はオメガなどが属するスウォッチグループが不参加。その影響もあって出展社数は減少したが、会場は例年同様の活気が感じられた。スウォッチグループはブランド独自に新作を発表しているので、それらも含めて注目モデルをピックアップする。
シックなカラーで人気の青黒ベゼル
「GMTマスター Ⅱ」に、新キャリバーを搭載
ロレックスは、2015年発表の新世代ムーブメントを各コレクションに順次搭載してきた。今年はパイロット・ウォッチをルーツとする「GMTマスター Ⅱ」に青黒ベゼルの新作が登場した。
2つのタイムゾーン表示が可能で、ホームタイムを24時間表示する両方向回転ベゼルはセラミック製。回転させやすいよう刻みを入れたフレームに組み合わせており、ロレックスではセラクロムベゼルインサートと呼んでいる。この青黒ベゼルは、ツートンカラーを初めてセラミックで一体成形したモデルとして2013年に発表された。ムーブメントは新世代の「キャリバー3235」に2つの時間帯表示機能を加えた「キャリバー3285」。先端に三角のシンボルを持つブルーの針が、ベゼルでホームタイムを指し示す。青は昼、黒は夜。両方向に回転できるので、時差分だけ回せば第3の時間帯も表示できる。
昨年の赤青ベゼルに続く展開だが、青黒ベゼルは落ち着いたシックなカラーリングなので、ビジネススーツでも違和感がない。
セーリングウォッチの「ヨットマスター」の新作にも「キャリバー3235」が新しく搭載され、ケースサイズを42㎜にアップ。素材も初の18Kホワイトゴールドを採用。ケースサイドとラグが陽光を反射して、オイスターケースを際立たせてくれる。ダイヤルは対照的に深いつや感のあるブラックラッカー仕上げ。外周の両方向回転ベゼルは、これを引き立てるようにつやなしのマットブラックセラミック。60分目盛りが浮き彫りされており、ベゼルの三角マークを分針に合わせるだけで経過時間を読みとることができる。また、ベゼルの最初の15分までは1分ごとの目盛が刻まれているため、予定時間にセットしておけば、それからの経過分が精密にわかる。


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問/日本ロレックス 03-3216-5671
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。