腕時計
バーゼルワールド2019 リポート
フレデリック・コンスタント
2019.07.10
1月のジュネーブサロン(SIHH)に続いて、バーゼルワールド2019がスイスで3月21日~26日に開催された。時計はもちろん、宝飾系ブランドも新作を披露する大規模な国際展示会だが、今年はオメガなどが属するスウォッチグループが不参加。その影響もあって出展社数は減少したが、会場は例年同様の活気が感じられた。スウォッチグループはブランド独自に新作を発表しているので、それらも含めて注目モデルをピックアップする。
パワーリザーブ表示を備えた
新開発の自社製ムーブメントを搭載
フレデリック・コンスタントは、高品質なスイス時計を手の届く価格帯で提供することを基本理念としてきた。その一方で、ムーブメントの自社開発にも意欲的に取り組んでおり、今年は28番目(!)となる自社製キャリバーが追加された。
自動巻きでパワーリザーブは約50時間。ゼンマイ残量を示すインジケーターを備えていることが特徴であり、ポインター式の日付表示を持つクラシカルな「スリムライン」に搭載された。ケース素材はステンレススチールで、ダイヤルカラーはホワイト、ダークネイビー、グレーの3種類。ローズゴールドプレートのケースにはオフホワイトダイヤルの組み合わせ。細身で小さなローマ数字とサンレイ加工のダイヤル、それに針はハンドクラフトで美しく磨き上げられている。
パワーリザーブのインジケーターが非対称な10時位置にあり、動きのあるアクセントになっているほか、巻き上げが必要な時期もレッドのドットで表示されている。ビンテージモデルを想起させる古典的なスタイルがベースなので、飽きることなく愛用を続けられるはずだ。
ブランドを代表する人気シリーズ「クラシック インデックス オートマチック ハートビート」では、スポーティーなテイストを加えた日本限定モデルがデビュー。アイコンとなっている12時位置のハートビート(時計の心臓部の鼓動が見られる)を維持しながらも、シリーズ初のラバーベルトを組み合わせており、軽快な印象。ステンレススチールケースに、ダイヤルカラーはダークネイビーまたはブラックの2種類。ローズゴールドプレートを施したモデルもあり、こちらのダイヤルカラーはダークネイビーのみ。トレンドのブルーを巧みに取り込んでおり、フレデリック・コンスタントの新しい個性に成長するのではないだろうか。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
問/フレデリック・コンスタント相談室 0570-03-1988
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。