紳士の雑学
スーツのカビを自宅で取る方法
スーツカビの原因と予防するには?
2023.06.28(最終更新:2024.07.30)
高音多湿な気候の日本。雨が続いたり、湿気の高い季節になるとスーツにカビが生えてしまう恐れが高まります。そのまま放っておくとスーツが使えなくなってしまいますし、健康被害の原因にも。そこでカビが生えてしまった時の応急処置の方法とカビを発生させないためのスーツの保管方法を解説します。
自宅でできるスーツのカビの落とし方
「明日どうしてもそのスーツを着たい」「クリーニング店に行く時間がない」……。そんな時に、応急処置として自宅でカビを落とす方法を紹介します。
【落とし方1 濡らして固くしぼった布巾で叩く】
カビがちょっと生えてしまった程度なら、ぬるま湯でぬらして固く絞った布巾で、拭くのではなく軽く叩けばOK。それだけでカビは落ちます。
【落とし方2 お湯につける】
「落とし方1」でも落とせない場合は、40℃くらいのお湯につけ、かたく絞った布巾などでカビの部分を軽く叩くように落とします。終わった後は完全に乾かして、しばらくの間陰干ししましょう。カビは40℃以上で生育が不可能となるので殺菌にはそれ以上の温度で行い、ウールなどの素材を傷めないように短時間で行いましょう。
【落とし方3 消毒用エタノールを使う】
お湯だけでカビを落としきれない場合、消毒用エタノールを使ってカビを落としましょう。まずはブラッシングして表面のカビを落とし、歯ブラシに毛先が湿る程度の消毒用エタノールをつけて、カビの部分を軽く叩くようにして落としましょう。カビが目立たなくなったら、当て布をしてアイロンをかけるか、ドライヤーを20cm以上離して乾かしましょう。消毒用エタノールはスーツの素材によって色落ちすることもありますので、裏地などにつけて試してから行うように注意してください。
【落とし方4 殺菌効果の高いハッカ油を使う】
エタノールよりもさらに殺菌効果が高いのがハッカ油。ハッカ油は濃いためそのまま使うのではなく、ボトルに水90ml、エタノール10ml、ハッカ油10滴ほどを混ぜスプレーに入れて使用します。直接カビの部分に吹きかけて歯ブラシで叩くようにして落としましょう。その後よく乾かせば完了です。
・応急処置の注意点
以上の応急処置の他にも漂白剤を使用する方法もありますが、素材によっては色落ちしてしまうので注意が必要です。また白カビであれば、手で叩けば落ちるものもありますが、カビ菌が飛び散ってしまうので屋外で行いましょう。以上のような処置はあくまでも表面のカビを目立たなくするもの。完全にカビ菌を根絶やしにしたものではありませんので、早急にクリーニング店に持っていき、カビを除去する処置をしてもらいましょう。
カビの原因を知って発生を防ぐ
カビが生える原因は様々ですが、特に湿気が問題です。さらにホコリや汚れ、汗、食べカスなどがカビの養分になります。さらにウールなど動物由来の天然成分も養分になりますので、細かな対応が必要になります。
【予防策1 クローゼットに湿気をこもらせない】
カビの大きな原因になるのが湿気。クローゼットの湿度が高いと、収納している衣類がカビてしまいます。クローゼットに湿気がこもらないようこまめな換気や除湿剤を置くなど、対応しましょう。
【予防策2 クローゼットに服を詰め込みすぎない】
隙間なく服をクローゼットに詰め込むと、湿気がこもったり、カビが発生した衣類から別の衣類へと移ってしまったりします。余裕をもった収納を心掛けましょう。
【予防策3 着用後のスーツはすぐに収納しない】
1日着用したスーツは汚れや湿気がこもっていて、カビの温床になりやすくなっています。脱いだらブラッシングをして、半日以上陰干しして汗抜きをしてから収納しましょう。特に雨に濡れた日などは長めに陰干しすることが大切です。
【予防策4 汗や汚れはスチームアイロンでとる】
汗や汚れはカビの温床になります。気になったらすぐにスチームアイロンのスチームを含ませて飛ばすこと。こまめなケアがカビから大切なスーツを守ります。
【予防策5 スーツは毎日同じものを着ない】
毎日同じスーツを着ていると、汗や汚れが固着してしまいカビの温床に。さらにスーツ自体もくたびれてきてしまいます。一日着たら二日以上は休ませられるように、三着以上を用意して着回すようにしましょう。
【予防策6 クリーニング店のビニールは外す】
クリーニングから返ってきたスーツにはビニールが被せてあります。そのまま保管すると湿気がこもりやすくなるので外すことを忘れずに。カバーをかける場合は保管専用の不織布カバーを使うようにしましょう。
【予防策7 使っていないスーツもしまいっぱなしにしない】
頻繁に着ないスーツでも、ずっと収納したままで放置しておくとカビやすくなってしまいます。年に1~2回を目安にクローゼットから出して陰干しをして、湿気を取り除きましょう。
どうしても落とせないカビが発生した場合はどうする?
カビの予防、対策を行っていても、少しの油断でカビは発生してしまいます。また、白カビであれば自身でも落とせますが、繊維の奥で根を張った黒カビを落とすのは個人では難しいもの。そうした場合は諦めて早めにクリーニングに出すことも検討しましょう。
まとめ
①カビを発見したら応急処置をし、クリーニングで処理を。
②クローゼットを除湿し、カビが発生しない環境をキープする。
③スーツはローテーションして着用し、脱いだら陰干しを習慣化。
Edit・Text:Yasuhiro Okuyama(POW-DER)