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FASHION VIEW
「ビジネス」と「カジュアル」の境界線。
CIRCOLO 1901
2019.10.01
この夏、イタリアのフィレンツェで開催された第96回「ピッティ・イマージネ・ウォモ」の会場は、カジュアル化の傾向にさらなる拍車がかかった印象だった。いま、ビジネスとカジュアルの境界線はどこにあるのか。人気ブランドから届いたひとつのキーアイテムを軸に、ビジネスとカジュアルのそれぞれを着こなす。すると、旧態依然な価値観を超えた、新たなスタイルが浮かんでくる。
ネイビーのダブルジャケット

左:重厚なダブルの印象もPコート風にカジュアルに。首のチーフが冬のマリンルックを上品かつ大人っぽく飾る。ジャケット¥54,000/チルコロ1901、パンツ¥19,000/ ブリリア1949(トヨダトレーディング プレスルーム 03-5350-5567)、セーター¥21,000/ ルトロワ(ビームス六本木ヒルズ 03-5775-1623)、スカーフ¥6,000( アルソーレ 045-901-1808)、靴¥28,000/ウニコラ(横浜髙島屋 シューメゾン オム 045-311-5111)
ジャージー素材にウール柄のプリントを施したジャケットなど、まさにビジネスとカジュアルの垣根を越え、チルコロ1901は高い人気を誇る。「大切なのは着心地。オフィスやリゾートなどシーンを選ばず、そのスタイルが着る人のエレガンスを演出します」とオーナーのジェナーロ・ダルジェニオ氏。そしてこれこそがブランドの目指す境界線と挙げたのが、ネイビーのダブルジャケットだ。
「ネイビーは僕にとってのフォーマルの象徴ですが、超軽量素材を用い、メタルボタンを採用することでカジュアルにも着こなせます。ブランドのDNAは、気軽に着られ、心地よく、洗濯もできる〝イージー〞ということ。もともとフォーマルをカジュアルダウンしようと思ったのでなく、このコンセプトを追求した結果、境界線をなくしたんです」
既成概念を容易に崩した点でも〝イージー〞だ。

CIRCOLO 1901(チルコロ 1901)
1980年代に創業したテキスタイル会社を母体に、独自の服地技術を生かすため、2008年にオリジナルブランドとして設立した。機能性に加え、一度袖を通すと“イージー”な着心地やスタイルのとりこになり、リピーターが後を絶たない。


「アエラスタイルマガジンVOL.44 AUTUMN 2019」より転載
Photograph: Masahiro Heguri[Studio], Mitsuya T-Max Sada[Report]
Styling: Yoichi Onishi
Hair & Make-up: Yurie Taniguchi
Text: Mitsuru Shibata
Coordinate: Michiko Ohira