接待と手土産

すべて実食! 自慢の手土産#39
「岡埜栄泉総本家 いろがみ」のどら焼き

2019.10.07

写真・図版

伝統の製法を受け継ぎながら、ほかにはない新しいおいしさを追求

麻布十番に昨年オープンし、お菓子通のあいだで話題の和菓子店が「岡埜栄泉総本家 いろがみ」だ。岡埜栄泉総本家と言えば、創業145周年(明治6年創業)の老舗和菓子店。特に豆大福では他店の追随を許さぬ人気を誇っていたが、今年、上野駅前の総本家は惜しまれながら閉店してしまった。

その老舗が培ってきた伝統と、和菓子の新たなおいしさを追求するこの「いろがみ」を取り仕切るのは、総本家で工場長を務めた経歴を持つ店長の浜口暁子さんをはじめ、若手の女性たち。オープンにあたって、自ら手を上げたメンバーだけに、新店にかける思いは熱い。全員の「こうしたほうがいい、こうしたい」がギュギュっと詰まった店なのだ。

店内には岡埜栄泉秘伝の豆大福も並ぶが、筆者のおすすめはここにしかない2種類のどら焼きだ。試行錯誤を重ねてたどりついた自慢のレシピのひとつは、フランス産の高級バターが挟まれ、その塩気と餡(あん)の甘みが混ざり合うちょっとリッチな「香りのバターどら焼き」。もうひとつは、つぶつぶの餡がたっぷり入った王道の「どら焼き」だ。生地はどちらも同じで、小麦粉と砂糖と卵。通常なら重曹水を使うところを牛乳に替え、フランス産の小麦粉によって、弾力があり、歯切れがよく、そしてしっとりと仕上げている。

生地に負けないのが餡のおいしさだ。小豆の形をほどよく残しつつ、甘さは控えめ。生地との一体感がとにかく素晴らしいのだ。材料には、北海道十勝産の「雅」を使う。もっと高級な小豆もあるが、作りつづけるうちに、どら焼きの餡にはこれが一番と確信したそうだ。

「昔から伝えられてきた製法や道具を使いながら、素材にこだわり、その力を最大限に生かして、おいしいと思ってもらえる和菓子を作るのが、いろがみの仕事だと思っています」 と浜口さん。自慢のどら焼きは、ぜひ最初に香りを楽しんでほしいとのこと。ふんわりと甘く優しい香りが食べる前から幸せな気持ちにさせてくれる。

数百年の歴史を持つというどら焼きは、時代と共に進化してバリエーションも豊富になったが、いろがみのどら焼きは新しいだけでなく、どこか筋の通った和菓子らしい趣を残す。歴史を積み重ねたどっしりとした重みを感じるのだ。バターのあるなしは好みが分かれるところだが、コーヒー好きの相手なら、ぜひ「香りのバターどら焼き」をおすすめしたい。日本茶派なら、自慢の餡が十二分に味わえる「どら焼き」がベストな選択だろう。

写真・図版

岡埜栄泉総本家 いろがみ
東京都港区麻布十番2-18-8 Grand Louvre麻布十番1階
営業時間/10:00~18:00
定休日/月・火曜 ※祝日は営業
価格/香りのバターどら焼き1個300円、どら焼き1個250円 ※価格は税込み
問/03-6435-0207

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Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling:Keiko Katanozaka
Edit & Text:Mayo Morino

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