特別インタビュー

渋谷直角
男が憧れる、男の持ち物。
キャップとおじさん。

2019.10.09

500_08.01
熟練の職人による手作業で作られたキャップは、やわらかくて上質。キャップ(直営店限定)各¥10,000/キジマ タカユキ(キジマ タカユキ 03-3770-2174

自分をイラストにしたキャラクターのアイコンはいつもキャップをかぶっている。それは実際の自分もよく帽子をかぶるからで、若いころ、天然パーマで髪をセットするのが難しく、帽子でゴマかすようになっただけ。

キャップにハット、ニット帽、キャスケットなど、いつしか大量な数。また帽子のイメージが強いとプレゼントされることも増え、自然と集まる。コーディネートには困らないが、一度もかぶらないままの帽子も多い。

いちばん好きなのは、写真のようにワークキャップの形をしたモノだ。いわゆる作業着的な。海外のパン屋さんや郵便屋さんのイメージで、手軽にクシャッとかぶったり、脱いだらヒップポケットに突っ込んじゃう、というノリが理想である。友人にも同じ趣味のヤツがいて、彼はもっと「○○カレー」とか「〇〇鉄道会社」といった企業名がプリントされている、ガチの業務用の珍しいモノをたくさん持っている。それをアクセント的にかぶりこなしているからたいしたもの。女性ウケはあまりよくないみたいだけれど。

そう、おじさんになると普通のキャップが似合わなくなる。オシャレとしてかぶっていたつもりが、なんだか「マニアのおじさん」っぽさが出てくるのだ。「こんな人、骨董市(こっとういち)とか中古レコード屋さんによくいたな……」と思う姿になっている。自分も十分「マニアのおじさん」の部類なのでしょうがないが、モテずともせめて小ぎれいには思われたいと、仕立てのいいキャップ(それなりの値段のモノ)を選ぶようになる。すると今度は服が安物だとチグハグで、高い服を着るか、ド派手な服で自分をもっとキャラ化させるという方向になる。いまのところ自分は「ド派手」方向でやっている。おかげで「マニアっぽさ」は薄らいだが、今度は「変なおじさん」感が止まらない。おじさんの格好は難しい。

<<渋谷直角 男が憧れる、男の持ち物。トートの楽しさを教えてくれた人。

  渋谷直角 男が憧れる、男の持ち物。ジージャン色落ち狂想曲。>>

Photograph: Tetsuya Niikura(SIGNO)
Styling: Akihiro Mizumoto

あなたへのおすすめ

トレンド記事

  1. 3年に1度! 世界が注目する<br>瀬戸内国際芸術祭がやって来る<br>【センスの因数分解】

    3年に1度! 世界が注目する
    瀬戸内国際芸術祭がやって来る
    【センスの因数分解】

    週末の過ごし方

    2025.06.18

  2. 箱根に映える、メルセデスAMG SL 63 SE パフォーマンス<br>【男と女、そしてカブリオレ。】

    箱根に映える、メルセデスAMG SL 63 SE パフォーマンス
    【男と女、そしてカブリオレ。】

    週末の過ごし方

    2025.06.27

  3. 世界のトップバーテンダー5名が日光に集結!<br>「ザ・リッツ・カールトン日光」開業5周年を祝う、<br>五感で楽しむ一夜限りのイベントを開催。

    世界のトップバーテンダー5名が日光に集結!
    「ザ・リッツ・カールトン日光」開業5周年を祝う、
    五感で楽しむ一夜限りのイベントを開催。

    週末の過ごし方

    2025.06.30

  4. アイコニックなロゴ使いが存在感を放つ、<br>グッチのTシャツ。

    アイコニックなロゴ使いが存在感を放つ、
    グッチのTシャツ。

    カジュアルウェア

    2025.07.03

  5. 南国風のロゴあしらいがサマームードをかき立てる、<br>ルイ・ヴィトンのTシャツ。

    南国風のロゴあしらいがサマームードをかき立てる、
    ルイ・ヴィトンのTシャツ。

    カジュアルウェア

    2025.07.01

紳士の雑学