旅と暮らし
丁寧に作られた料理は珠玉。
親しみやすい「蕎麦がある料理屋」[部長の名店]
本枯
2019.10.11
だしにこだわって2003年に開業した蕎麦屋。店名の由来も最上級の鰹節“本枯節”にちなんでいる。一流料亭を経た2代目店主は、だしへのこだわりはそのままに、「蕎麦がある料理屋」を目指した。
ひとつひとつ丁寧に作られた料理は、定番が30前後、季節ものが20前後と実に豊富。
どれもがしみじみ味わい深く、その実力は、席に着いて最初に供される先付(1000円~)でわかる。「何度もお邪魔していますが、一度も同じ先付だったことがないんです」と部長。
コースは4400円~6600円で、それぞれの要望に合わせて組み立ててくれるが、コースをオーダーするよりも「とりあえず刺身と天麩羅。あとはその場で決める」と頼むほうが通。締めの蕎麦はのど越しと香りで、接待する相手を満足させること必至だ。
夜席は半数以上が接待客。パーティションで囲われた個室風の席が1つ、そのほかはご覧のとおりのフロアだが、プライベート感が守られているのがありがたい。
「アエラスタイルマガジンVOL.44 AUTUMN 2019」より転載
Photograph: Reiko Masutani
Text: Sachiko Ikeno