紳士の雑学
テラコッタベースのネクタイ
[Vゾーンラボラトリー]
2019.10.28
ネクタイの達人、アイネックスの並木孝之氏に教わるVゾーンテクニック。今シーズン注目すべき5つのキーワードとおすすめのネクタイをご提示いただき、それぞれのコーディネート術をご伝授願う。。第4回は、Vゾーンを新鮮に彩る注目すべきカラー、テラコッタ(赤土色)ベースのネクタイだ。
イタリア語で焼いた土を意味するテラコッタ。「インパクトのある色ですがブラウンの延長線上にある色ですから、ブラウンと同じ感覚でコーディネートしていただける、扱いやすい色です」(並木氏)。テラコッタベースに一般的なピッチのグレーとベージュのストライプのネクタイは、チャコールにホワイトストライプのオーソドックスなスーツでクラシックな着こなしを目指す。テラコッタのタイとグレースーツとの関連性はホワイトシャツがうながしている。
「グレーとテラコッタは好相性の色の組み合わせですから、一本ご用意していただくと、お手持ちのスーツで手軽に雰囲気を変えることができます」(並木氏)。さて、こちらは前述の同じシャツとスーツに、ストライプに代えて、テラコッタベースの小紋プリントのネクタイをコーディネート。プリント柄なので表面感に落ち着きがあり、ストライプ×小紋のパターン・オン・パターンの組み合わせを、気後れすることなく着こなすことができる。
「テラコッタは鮮やかな色調ですが、決して派手派手しいものではありません。大胆なモチーフもエレガントに見せることができるので選択肢に加えたいものです」と言い添えながら白のシャツに結んだのは大柄のタイ。テラコッタ地のスペースは広く取られているが、ここまで大柄だと前述のストライプのスーツでは柄と柄とがけんかをしてしまう。そこでここでは、グレー無地のスーツで、なおかつ起毛感のある素材を合わせ、柄のインパクトを中和させている。
「多色づかいのストライプのタイも、テラコッタベースなら普段のオーソドックスな配色とは違う印象をVゾーンに採り入れることができます」とレコメンドされたのが、テラコッタにパープルが利いたストライプタイ。大柄の場合と同じように、グレー無地で起毛素材のスーツを合わせて、柄の強さを軽減させ落ち着きのある見栄えを作り上げる。シャツはストライプの中にあるホワイトに合わせて、コントラストを調える。
「ここまではグレーとの組み合わせに言及してきましたが、テラコッタはネイビースーツとの組み合わせにもよくマッチングし、ノーブルなVゾーンを演出できます」(並木氏)。ここではネイビーのシャドーチェックのスーツに、テラコッタにネイビーとベージュのワイドピッチのストライプタイを選択。シャツはスーツとタイの橋渡しの役割を果たしてくれるサックスのシャツを合わせてコントラストを抑え、バランスのいい色合いを作り上げている。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
Photograph:Ryohei Oizumi(2S studio)
Styling:Takayuki Namiki, Hidetoshi Nakato(TABLE ROCK.STUDIO)
Text:Koki Nakasu