週末の過ごし方
トリップ気分を銀座で
モダンインディアンキュイジーヌレストラン
SPICE LAB TOKYOでインド料理の概念が変わる!
2020.08.26
インド料理といえばカレーを思い浮かべる人が多いだろう。しかし、本来インド料理はもっと奥が深い。
それを味わえるのが、銀座6丁目にあるSPICE LAB TOKYO(スパイスラボトーキョー)だ。いまだかつて日本で食べたこと、見たことのない“スパイスの魔法”であふれるモダンインディアンキュイジーヌを提供する。
さて、モダンインディアンキュイジーヌは何かと言うと、2010年ごろから台頭しはじめたホテル発祥のインド料理のスタイルのことを言う。すでにロンドンやニューヨークでは最先端の現代的なインド料理として行列のできるレストランが多く、最近ではドバイなどでも新店舗が誕生している。
スパイスラボトーキョーのモダンインディアンキュイジーヌは、インドの伝統的なレシピやスパイス使いに、現代的なフレーバーとエレガントなスパイス使いを融合。こだわりの日本の旬の食材を用いて作られている。
ディナーでは、ひと皿ごとにインドの多様性を表現するテーマを冠した料理を組み合わせ、ベジタリアン1 種を含む全3種のコースメニューがそろう。
2019 年11月にオープンして以降、初めて提供する夏メニューの1皿目は、1枚目の写真の料理だ。トマトのジュレはカレーリーフとグリーンコリアンダーで風味付けされ、塩昆布のタルタルとキュウリの浅漬けがトッピング。盛り付けたスパイスを軽く焼いて立たせた香りが寺院の静謐(せいひつ)な空間を思い起こさせ、1皿目から五感で楽しむ準備が整うだろう。
こちらは「街路」をテーマにして、インドのカラフルでエネルギッシュな街路からインスパイアされた1皿。インドの5つの代表的なストリートフードを、スパイスラボスタイルで表現している。
5つのストリートフードには、シナモン、クローブ、フェンネル、スターアニス、ブラックペッパー、クミン、カスリメティ(乾燥させたフェヌグリークの葉)などのスパイスに加えて、柚子胡椒や甘酒などの日本の調味食材も用いられている。
日本の食材である鮎の一品も美味。自家製のインド産マスタードのペーストでマリネした鮎を、蓼酢(たてず)とフレッシュトマトのソースでモダンインディアンキュイジーヌへと昇華。日本人の舌に合う絶妙な味わいに驚きを隠せないだろう。
ディナーコースでは、まだまだ驚きと感動的な料理が続くのだが、それはぜひ実際にお店で体験してほしい。「まずは気軽に」ということならランチもおすすめだ。「今のインド」を表現したガストロノミックなコースディナーとは違った、カジュアルなセットスタイルが楽しめるはず。
これらすべての料理に言えるのは、スパイスラボトーキョーはアクセントを付けるためではなく、料理のバランスを整え、調和させるための繊細なスパイス使いがすばらしいということ。感動的なプレゼンテーションは、ガストロノミックで、これぞ革新的なインド料理と言える。
スパイスラボトーキョーを訪れたら、同じビルの11階にある系列店のTHE GREY ROOM(グレイルーム)へも足を運んでほしい。
グレイルームは、銀座では珍しい地上 30m のテラス席もある、ニュートラルな心地よさを追求したバーラウンジで、夜のバータイム以外に、日中はティータイムとして営業しており、さまざまなスパイスやインド産の茶葉、コーヒーなどのフレーバーを生かしたカクテルや日本産の高級スピリッツなどを堪能できる。
テラス席の要望が多いことから、9月末まで期間限定で、ドライジンのザ・ボタニストをテーマにしたフリーフロープランを開催している(一休ウェブサイト限定で提供)。また、シャンパン飲み放題プランも用意されている(詳細はオフィシャルサイトで)。
海外旅行へ行けない昨今だが、スバイスラボトーキョー、グレイルームでは、現在進行形のインド料理の世界へのトリップが楽しめるだろう。
Text:Tomoko Komiyama