調べ・見立て(見立て)
新型コロナウイルス禍は、休日の過ごし方にも変化をもたらしている。
編集長の「見立て」。#40
2021.02.17
新型コロナウイルス禍は、働き方だけではなく、休み方にも影響を及ぼしています。これまでであれば、ゴールデンウイーク、夏休み、年末年始といったタイミングで旅行に出掛けていたビジネスマンも、例年どおりのようにはお出掛けはかないません。
それでは、普段の週末や休日の過ごし方にも変化はあったのでしょうか。アエラスタイルマガジンの「調べ」アンケートで「休日の過ごし方で多いのは?」と問うてみると、「家にいることが多い」と回答したのは72パーセント。さて、この72%という数字、多いと見立てるか、少ないと見立てるか、考えを巡らせてみました。
「あなたにとって理想の休日に近いのは?」というアンケート質問に対する回答結果から、ビジネスパーソンの真意がくみ取れるかもしれません。「毎回外出を楽しむ」のを理想の休日と回答したのが14%、「休日の半分くらいは外出する」が48%、2つの回答を加えると62%が「外出」を望んでいるのがうかがえます。一方で、「基本は家で過ごしてたまに外出するくらい」は31%にとどまり、「家で過ごす」と断言する人は7%に過ぎません。つまり、休日は「家にいることが多い」と先のアンケートに回答した72%のなかには、外出したい気持ちを抑えて「ステイホーム」で我慢している人が多いと推察されます。
それでは、家でどのように過ごしているのでしょうか。せっかくの休日、「ゆっくり寝る」の回答は当然と言えば当然です。「家事をする」の回答も、21%と比較的高い数字となりました。掃除、洗濯といった家事はもちろん、「ステイホームで料理をする機会が増えた」とか、「たまっていた洋服や本の断捨離をした」といった声も聞きます。
それらに加えて、アエラスタイルマガジンからは2つの家事をおすすめしましょう。まずは、シャツのアイロン掛けです。リモートワークでオフィスに出勤する機会が減るとワイシャツを着る回数が減るため、クリーニングに出さずとも、自分で洗濯とアイロン掛けをすればよいのです。アイロン掛けがいいのは、テレビを見ながらでもできるところ。襟や前立てなどの重要な部分にさえきちんと目配りすれば、‟ながら“アイロンでも大丈夫です。そしてもうひとつ、靴磨きをオススメしたいと思います。久しぶりにスーツを着てオフィスに出社する際には、ピカピカに磨かれた美しい靴を履きたいもの。こちらも習慣にすると、意外と楽しいものです。何足かまとめて並べておいて、順々に磨いていくと、邪念が払われてスーッと気持ちが鎮まってくるかもしれません。
現状では、外出したとしても、「買い物」38%や「散歩」22%といったように、ご近所で過ごすことが多いようです。旅行、スポーツ、レジャー、そしてボランティア。多くのビジネスマンが本来やりたいと考えているであろう、そういったアクティブな活動ができる休日が、一日も早く来ますように。
プロフィル
山本晃弘(やまもと・てるひろ)
AERA STYLE MAGAZINE
WEB編集長 兼 エグゼクティブエディター
「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年に編集長として「アエラスタイルマガジン」を創刊。ファッションやライフスタイルに関するコラムを執筆する傍ら、幅広いブランドのカタログや動画コンテンツを制作している。トークイベントで、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。2019年4月にヤマモトカンパニーを設立し、現職に就任。執筆書籍に、「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」がある。