特別インタビュー

BEENOS株式会社
代表取締役 執行役員社長 兼 グループCEO
直井聖太インタビュー[前編]
ニッポンの社長、イマを斬る。

2021.12.17

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コロナ禍で越境ECが絶好調! BEENOS(ビーノス)グループを率いるのはカバン持ちからトップに上り詰め、業績のV字回復を達成してきた直井聖太氏だ。代表就任から7年、「好調なときこそいったん否定する視座が大切」と語る氏に、その軌跡と未来展望を伺った。

いまが世界に向けた〝創業期〞。
マーケットに何を提供できるか?

「アラブで風鈴が売れたり、海外で知らないうちに日本のブームが起きていたり。爆買いされた象印のマホービンも最初の兆しは越境ECからでしたね」

BEENOSグループ代表の直井聖太氏はこう語る。越境ECとはその名のとおり、海外の消費者に向けたインターネット通販のことだ。その日本最大手である『Buyee(バイイー)』はヤフオクやメルカリ、楽天、ZOZOTOWN、hontoなど国内のサイトの海外販売をサポートし、コロナ禍でも2ケタの伸び率で推移する。「始まりは駐在員への海外転送サービスでした。やがて日本好きな外国人にリピートされるようになっていったんです」。中途入社の直井が立ち上げたサービスがグループの起爆剤となった。

BEENOSではほかにネット宅配買取の『ブランディア』や内外のインキュベート支援など複数の事業を手がける。創業二十数年の歴史の前半は国内向け事業が主軸だったが、直井の代表就任で視座は世界にシフトした。「いまが創業期くらいに思っています。もう一度、違う会社にするくらいの感覚でいますね」。オフィスを構える品川区の御殿山トラストタワーでこう語った。

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アジアの成長を取り込めば希望しかない

子どもの頃からなりたかったのは経営者だ。祖父が起業家だったことからバブルの活況もその崩壊も肌に感じて直井は育った。大学卒業後、コンサルの会社に入ったのは経営を学びたかったからで起業は常に頭にあった。

「新しいマーケットを創ろうと思ったんです。人口動態的に日本市場の縮小が叫ばれ、今後は中国が伸びると言われはじめた時代。実際に現地に旅して思いましたね、すごいパッションだと。だけど、アジアの成長を取り込むことができれば日本だって希望しかないじゃないかと」

そんなときにBEENOS前代表の佐藤輝英氏を紹介された。起業について話すと氏は言った。「で、インターネットは?」。実はネットには懐疑的だった。メディアに登場するIT起業家を別世界のように感じていた。氏は言った。「だけど、ITを知らなくて、この先20年、30年と経営できるの?」。直井は言い返せなかった。BEENOSでIT修業をすることになったのはその直後、2008年のことだ。

「社長のカバン持ちって感じで入社したんですね。仕事の指示はなし。『出たい会議は全部出ていいから』と。実際、子会社の取締役会をはじめ、ほぼすべてに出ました。面白かったですし、若かったから吸収も早かったんですよ(笑)。2カ月ほどで『ああ、そうか』と。ITといってもほかのビジネスと基本は変わらないんだなと」

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