特別インタビュー
BEENOS株式会社
代表取締役 執行役員社長 兼 グループCEO
直井聖太インタビュー[後編]
ニッポンの社長、イマを斬る。
2021.12.24
コロナ禍で越境ECが絶好調! BEENOS(ビーノス)グループを率いるのはカバン持ちからトップに上り詰め、業績のV字回復を達成してきた直井聖太氏だ。代表就任から7年、「好調なときこそいったん否定する視座が大切」と語る氏に、その軌跡と未来展望を伺った。
グループ代表就任でV字回復へ
2014年、グループ代表CEOに就任した。「まずはカバン持ちで」と言った前代表の佐藤じきじきの頼みであったが、「衝撃だった」という。子会社といえどtenso単独のIPO(新規上場)を目指していた。苦労していた資金調達もどうにかなりそうな矢先でもあった。自分が採用してきた社員、一緒に作ってきた社風、どれを取っても愛着があり、集中したい気持ちも強かった。「うれしさはあったかと言うとゼロでしたね(笑)。断ることもできたのにそうしなかったのはtensoを軸に据える戦略に納得ができたから。グループは4期連続赤字が続いていてちょうど過渡期にありました」
当時のグループは国内事業が主体だったが、就任後はグローバルコマースを最優先にした。ホールディングス形態のなか、子会社それぞれが成長戦略を描く状態だったところ、tensoに基準を置いたのもこのときだ。「アジアで勝負している会社ですからスピード感は非常に速い。それがスタンダードになったことで全体が格段に進化しました」。グループ業績はV字回復を果たし、16年には東証マザーズから東証一部に市場変更した。