カジュアルウェア
ファッショントレンドスナップ132
ブリティッシュスタイル愛好家から
ユーロビンテージマニアまでが再注目の名作ジャケットとは?
2022.02.04
明治以降、日本には老いも若きも、男性も女性関係なく英国贔屓(びいき)やブリティッシュスタイルの愛好家が根強くいます。なかでも男性はファッションや車から興味を抱き、気が付くと底なし沼にどっぷりハマり抜け出せなくなる人が後を絶ちません。
今回ご登場いただいたジェントルマンもそんなおひとり。ITコンサルタントの内田栄治さんです。英国車のコレクションは言うに及ばず、英国発祥の生地や服の歴史まで追求しているという筋金入りの方で、愛車のジャガーXJSドロップヘッドクーペと一緒にスナップさせていただきました。
今回フォーカスしたのは、内田さんのジェントルマンのジャケット。フラップ付きのポケットが4個あり、ウエストにはベルトが付いていますね。
お気づきの方もいると思いますが、そうです、これはサファリジャケットやブッシュジャケットと呼ばれるもので、オリジナルデザインは1940年代に第2次世界大戦中に北アフリカ戦線(砂漠やその周辺の乾燥した草原)での戦闘用にイギリス軍が発注したコットンのジャケット(※以降サファリジャケットで統一)。
サファリジャケットの色は、砂漠の多い北アフリカの土地で目立たないようにするためベージュ(カーキ)が原則ですが、このジェントルマンのものはきれいなチェック。
お聞きしたら、銀座の「スローン レンジャー トウキョウ」でオーダーして作られたもので、デザインは英国陸軍の1950年代のパターンを使い、生地はカシミヤ混のきれいなチェックを使い現代的にアレンジしたのだとか。確かによく見ると、オリジナルには肩にエポーレット(肩章)と呼ばれる、トレンチコートと同じデザインのベルト状のループが付くのですが、このオーダーサファリジャケットにはありません。
「春が近付いてきたとはいえ、まだソフトトップ(天幕)をしまってフルオープンで車を走らせるには、薄手ながら暖かいジャケットは欠かせません。それにこれはオーダーなので、着用したままドライブしても腕の動きはスムーズでストレスがありません」とジェントルマンからの着用コメントもいただきました。