特別インタビュー

伊勢丹新宿店メンズ館8階
ポータークラシック 店長 菊地 崇さん
この人から買いたい、この一品

2022.07.22

伊勢丹新宿店メンズ館8階<br> ポータークラシック 店長 菊地 崇さん<br> この人から買いたい、この一品

一着の服の背景にあるストーリーを、接客を通して伝えたい

日本の伝統文化に根ざしたモノづくりを続けているポータークラシックは、私が大学3年生の頃に出会ったブランドです。服好きが高じて、当時は古着屋でバイトをしていたのですが、卒業後は、いくつかのショップやブランドを経た後、縁あってポータークラシックに入社。それまでの経歴が、ファッションとカルチャーが密接に結びついているブランド&ショップでしたので、今考えると必然的な流れだったと思います。

ここ数年は、会社の仲間とよく野球観戦に行くんです。みんな野球が大好きで、同じ球団を応援しているということもあり、一緒に試合結果に一喜一憂しております。私の幼少期は松井秀喜さんに憧れて、中学、高校は硬式野球部、大学では軟式野球部に所属していました。

学生時代はアメリカのカルチャーに憧れて髪型をロン毛にしつつ、野球をしていました。ポジションは中継ぎのエースです(笑)。そんな頃に古着屋でバイトを始め、ヴィンテージの世界にもどっぷりハマっていきました。特にヨーロッパ・ヴィンテージの革ジャンは70’sの物を何十着と集めました。次第に映画にものめり込むようになり、スクリーンの中で輝く世界観と自身の着る服がリンクしていきました。

一番好きな映画は『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』でしょうか。クライマックスで退役軍人役のアル・パチーノの演説で、退学目前だったチャーリーが大逆転するストーリー展開は、ジム・キャリーの『マジェスティック』や、マット・デイモンの『レインメーカー』にも似ています。この最後に大逆転するアメリカ映画の定番ストーリーは鉄板ですよね。

現在は年齢を重ねたこともあってか、日本の時代小説が好きなんです。司馬遼太郎の『国盗り物語』、池波正太郎の『剣客商売』、藤沢周平の『三屋清左衛門残日録』などが愛読書。映画なら小津安二郎ですね。私がぎりぎり生まれた、けれどもあまり記憶に残っていない、理想の昭和が描かれている感じがすごく好きです。

弊社会長の克さん、玲雄さん(編集部注:ポータークラシック会長、吉田克幸氏 / 代表取締役 吉田玲雄氏)からは服だけで無く、映画や写真、絵画、旅、食事などといった文化の素晴らしさ、人対人への気遣いの大切さなどを常に教わってきました。ポータークラシックの服には、先人たちが経験してきた日本や海外の素晴らしい文化が継承されています。一着一着の服に、それぞれ映画や小説のようなストーリーが込められてるので、接客を通してお客さまにそのような背景を伝えていきたいですね。

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