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クールビズに最適な服装とは?
オススメの着こなしを解説

2022.08.03

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クールビズは夏の暑い日でも、軽装などによって適正な室温(目安として28℃)で快適に過ごすライフスタイルです。最初に生まれたのは2005年。きっかけは地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減を決めた京都議定書の発効です。年々、ヒートアイランドと化す夏のビジネスシーンを少しでも快適に過ごすために、環境省の提唱で始まりました。

クールビズの基準は、室温28℃で無理なく動ける軽装。環境庁ではポロシャツや通気性のよい靴、機能・素材を活かしたスポーツアイテムなどを推奨しています。

あらためて考える、クールビズの目的

もともと日本を始め、アジアの先進国は高温多湿な気候が特徴です。比較的涼しく、乾燥している欧米生まれのスーツ、タイドアップでは夏場の負担は少なくありません。暑さをしのぐために過剰な冷房を入れることで、多くの空調を使用することになります。それに応じてフロンガスの排出が増え、結果的にさらなる温暖化という悪循環となります。

冷気を得るためにネクタイをしない、薄手のジャケットスタイルでもOKとするクールビズなら、その分冷房の温度を上げることでエネルギーコストが抑えられます※1。

開始した当初は浸透に懐疑的な意見も寄せられましたが、クールビズはすぐに受け入れられ、その年の9月のアンケートでは96.1%の認知度となりました※2。

※1外気温度31℃の時、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から28℃にした場合(使用時間:9時間/日)年間で電気30.24kWhの省エネ、原油換算7.62L、CO2削減量14.8kg[経済産業省 資源エネルギー庁調べ]

※2 環境省「COOL BIZの成果について」(2007年10月28日)

クールビズは日本で生まれた夏の服飾文化

クールビズというのは和製英語で、クール(涼しい)にビジネスを意味するBIZを組み合わせた言葉です。当時の首相であった小泉純一郎首相がラフな服装でパブリックな場所に現れたことが国内外で注目を集めました。温暖化対策として賞賛を集め、アジア各国はもちろん、夏の気温が上昇傾向の欧米でも追従する動きがあるようです。
さらにスーパークールビズという言葉も2012から提唱されました。前年の東日本大震災での福島第一原発が損害を蒙ったことから、「夏に冷房を入れなくても動ける服装」とより基準は緩和されました。ただ最近ではクールビズの普及により、スーパークールビズとの明確な差はなくなっているのが現状です。

クールビズがさらにアップデート 

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そんなクールビズがアップデートされたのが2021年のこと。それまでは5月1日~9月30日という期間設定があったのですが、21年からはなくなり、各企業の判断に任せることになりました。背景にあるのが2050年のカーボンニュートラル実現という大きな目標。現在、日本はこの分野で遅れを取っており、官民挙げての取り組みが火急となっています。もともと4月にも初夏以上に暑い日はありますし、10月1日から急に涼しくなるわけではありません。各企業の事情、仕事内容、個人の考え方など、より臨機応変の現場対応が求められているといえます。

ただ着崩すのではない、クールビズは夏ならではのドレスコード

クールビズは決して単なるドレスダウンではなく、SDG’sの面からも推奨される新しいオフィシャルなドレスコードと言えるでしょう。相手に不快感を与えないよう、清潔感と折り目正しさは必須です。

もうひとつ大切なのが、ビジネスではより相手との関係性、およびシチュエーションがひとつの判断基準となること。これはクールビズも同様です。訪問する相手が管理職や取締役、社長といった要職であった場合、また重要度の高い業務であった場合、自分の会社がクールビズであってもタイドアップをしておいたほうが無難です。

クールビズでは、スーツより応用度の高いジャケットを選ぶ

スーツスタイルにおいて、ジャケット、シャツ、ネクタイは三種の神器であり、長くビジネスでのユニフォームでした。でもヒートアイランドと化す都会では、襟元を圧迫することで体温の上昇は避けられません。そのため、クールビズではノータイが主流です。それに合わせて、タイドアップが基本のスーツはマストではなくなり、よりコーディネートで自由度があり、使いやすいジャケットスタイルが増えて来ました。

こうしたトレンドに大いに貢献しているのが素材の高機能化。もともとシアサッカーやコードレーンなどの畝(凹凸)のある素材は、肌に密着しないために夏向きとして重宝されていましたが、最近ではそれを超えるハイテク素材が次々と登場しています。多いのがコットンやウールの天然素材にポリエステルなどの化繊を混紡したもの。通気性、伸縮性や給水速乾性に優れているため、高温多湿な日本の夏に最適。汗による型崩れや皴を防ぎ、“きちんと感”を演出します。肩パッドをなくし、背中の裏地をつけないなど、軽量化も徹底しています。

クールビズではシャツ一枚でも通用する

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クールビズはノータイだけでなく、シャツだけの着こなしも許容されつつあるようです。つまりインナーとしての脇役ではなく、一枚着の主役らしい存在感がシャツに求められます。それだからこそ、シャツ選びには特に留意したいところ。

色は無地の白かブルー系。汗染みが目立たないネイビーも活躍します。柄についてはさほど大きくなく、無地に近いストライプであれば許容範囲でしょう。一方で大きめ柄やパステルカラーは主張が強すぎるため、対する相手によっては抵抗感を持つ可能性が懸念されます。もちろん、プリントものがNGであることは言うまでもありません。

さらに大切なのがサイズ感です。最近のファッションはメンズでもオーバーサイズがトレンドになっています。ただしこれはオフシーンに限った話。ビジネスではラフになりすぎるので、ジャストサイズであることは鉄則です。必ず首のサイズや身頃、アームホールがぴったり合うものを選んでください。特に長袖であれば、手元が暑苦しく見えないように必ず適正サイズで。こうしたところにもたつきが出ると、だらしなく見えてしまいます。

もうひとつ、シャツを選ぶ際のポイントとなるのが衿型。タイドアップをせず、第一ボタンを外すことが多いですから、衿がきれいに見えることに留意しましょう。台衿があることは大前提ですが、さらにノータイでも収まりがいいタイプを選びましょう。代表的なのがボタンダウンです。もともとポロ競技中に衿が浮かないように開発されたもので、スポーティーな見た目がクールビズにもぴったり。

または衿が一直線に見えるようなホリゾンタル、さらに角度が広がったカッタウェイもおすすめ。前者が水平線の意となるように180°、後者が190°程度となり、後ろ側へ流れることですっきりと見え、あまり衿の存在を感じさせません。

意外に難しいのがレギュラーカラー。もともとネクタイをした状態がいちばんきれいに見える衿型のため、ノータイだとやや中途半端に見えるきらいがあります。

数は多くないですが、身頃と衿が一体となったワンピースカラーのシャツもおすすめです。もともと第一ボタンにあたる場所が開いており、ノータイスタイルがデフォルト。まさにクールビズのためのデザインです。

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