カジュアルウェア
ピーティー トリノの新作パンツをはけば、
ビジネス&プライベートで愛されキャラ確定。
ファッショントレンドスナップ 154
2022.08.24
「え〜普通のパンツですが?」と突っ込みを入れた方は、ある意味正しい。このパンツ、普通に見えて実は普通じゃないところがポイントで、注意しながら手に取るとそのすごさがわかります。
「ワイドパンツやミリタリーパンツなど、百貨店やセレクトショップのECサイトには、トレンドパンツと銘打ったものがたくさん並んでいます。しかし、いま持っている服とどうコーディネートすればいいのかとか、自分の体形的に似合うのかといったことを考えだすと、実のところなにを買えばいいのかわからなくなってしまいがちでは? 私のオススメは、このブラックのパンツですが、どんなトップスにもなじみやすく、同色の靴と合わせれば脚長効果もあるという名品です」と解説していただいたのは、ピーティー ジャパンの鈴木雄一朗さん。
実はピーティー ジャパンは、このイタリア製のパンツの輸入代理店で、鈴木さんはパンツひと筋20年近いという業界でもまれな経歴をお持ちで、イタリアのパンツのことを語らせると日本で右に出る人はいないと言われるほどのスペシャリスト。
一見すると細めのビジネスパンツにしか見えないのですが、よく見ると太もも周辺はほどよくゆとりがあり、膝下は裾に向けてシャープなライン。
「高級なウール素材のように見えますが、実はウールにポリエステルとポリウレタンをミックスしたストレッチ素材で、自宅で洗濯も可能というハイブリッドパンツです。このままジョギングしてもほとんどストレスがないですよ」と笑いながら鈴木さんがいきなりストレッチのポーズを。
パンツの裾には、ファスナーが付いているので脱ぎはきのときに、足先が引っかかってしまうということもありません。
また、休日はここを開けてはけば、イタリア人のようなヌケ感をさりげなく演出できます。
「裾にジッパーが付いていますがそれ以外は、ドレスパンツのディテールです。ベルトもできますし、サイドポケットやヒップポケットも丁寧に作り込まれています」と鈴木さんが見えない部分をフォロー。
鈴木さんは今回のようなカジュアルスタイルで通勤することも多いそうですが、ドレスコードが厳しい会社にお勤めの方は、そうもいかないはず。個人的には、スニーカーをローファーにし、上半身を手持ちのジャケット&ポロシャツ、加えてベルトをすれば、オフィスで浮くことはないのでは?
生地は、高級感があり、ウォッシャブルにありがちなシャカシャカ系とはまったくの別もの。クラシックなサージ織りで、ブラックのマット仕上げなので、コーディネート次第では、モードな印象を出すこともできます。こうしたリラックスしたモード感なら、会社の女性スタッフやパートナーから好印象を抱いてもらえるはず。
ちなみにピーティー トリノは、2008年にイタリアのトリノでパンツ専業ブランドとして創業。クラシックからモードまでカバーする実力を持ち、日本人の体形に合わせたミリ単位の修正をシーズンごとに行っています。
そうした理由から、シーズンごとに買い足すという熱烈なファンが大勢いるのだとか……。
パンツの裾は、ファスナーで開け閉めできるようになっています。閉めると、かみ合わせ(エレメント)部分が見えなくなるようになっていて、遠目にはそれとわからない工夫が。ここは、ビジネスシーンでは欠かせないポイント。
裾幅は、サイズ(イタリア式)44で約16cmと細め。そこを生かして、マウンテンブーツにインしてはくとトレンド感満載のコーディネートが完成し、逆に開けたままはけば、軽いフレアのラインが出るので、70年代風のレトロなコーディネートに振ることも。小さなパーツですが、侮れませんね。
Photograph & Text:Yoichi Onishi