カジュアルウェア

マーガレット・ハウエルのスタンドカラーシャツは、
オンオフ使える永久定番。50年以上愛される理由は?
ファッショントレンドスナップ177

2023.03.22

写真・図版

スタンドカラーシャツとかバンドカラーシャツという襟の付いていないシャツが最近注目されはじめています。(注)この後はスタンドカラーシャツで統一

このタイプのシャツは、検索するとさまざまなブランドから発売されていて、トレンドシャツの代表的な感じで取り上げられることもしばしば。初めて見た人は、首周りがTシャツに似ているので、カジュアルスタイルのイメージがつかみやすく、ビジネスコーデのスナップもかなり投稿されているので、ボタンダウンシャツに次ぐオンオフ使える定番シャツになりそうな勢い。

急に注目されだしたスタンドカラーシャツですが、実はそのデザインのルーツはとても古く、現在のシャツの祖先とも言えます。実は、バンドカラーに襟を縫い付けて使いやすくしたのが今の襟付きシャツで、イージーシャツに近い感覚だったのです。有名デザイナーが、シャツの襟を取っぱらって斬新なデザインに作り変えたのではないのです。

今回は、スタンドカラーシャツのなかでもよりクラシックなデザインでありながら、イマドキ感が満載なものを、スナップをもとに解説。さてさて、いったいどこがどう違うのかを、画面を拡大しながら読み進めてください。

写真・図版

今回取り上げるスタンドカラーシャツは、プルオーバーと呼ばれているデザインで、頭からかぶって着るタイプ。

よく見ると、胸にはフォーマルシャツによく使われる生地を折りたたんだプリーツが付いていて、おへその上くらいのところには、舌のようなフラップが付いています。

スナップのジェントルマンが着用しているシャツは、ロンドンで新品を買ったものらしいのですが、このデザインはビンテージのフォーマルシャツによく見られる超レアなデザインです。

1900〜1930年ごろのフォーマルシャツは、プルオーバー式がより格式高い本格仕様で、襟は取り外しができ、好みのデザインが選べました。現代のスタンドカラーシャツにある低い台襟の部分は、別売りの襟(カラー)を固定しボディー部分とずれないようにするための持ち出し(土台)だったのです。(注)諸説あります

2回の世界大戦を経て、襟とボディーが別れたフォーマルシャツは段々と少なくなり、今のような一体型へと進化します。

写真・図版

そんなルーツを持つスタンドカラーシャツですが、現在ネットで検索するとよく見かけるのは、前身が下まで開くものがほとんど。スナップのジェントルマンのようなプルオーバーのものはなかなか見つけることができません。

「そこは、こだわらなくてもいいんじゃないの?」という声も聞こえてきそうですが、個人的にはここは譲れないポイント。なぜなら、ジェントルマンのように裾出しでジャケットを着たときに、ここが割れているか一枚でつながっているかで見栄えが全然違うのです!

次ページなかなか見つけることができない、スタンドカラーシャツを紹介。

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