特別インタビュー

新型「Audi Q6 e-tron」がついにデビュー。
アウディの考えるEVの「上質さ」とは?
ジャパンのトップに聞いた。

2025.04.14

新型「Audi Q6 e-tron」がついにデビュー。<br>アウディの考えるEVの「上質さ」とは?<br>ジャパンのトップに聞いた。

新世代の電気自動車「Audi Q6 e-tron」が、満を持して日本デビューを果たした。既存の「Q4 e-tron」と「Q8 e-tron」の間にポジショニングされるモデルで、アウディがポルシェと共同開発したバッテリーEV用プラットフォームを採用した次世代電動SUVだ。まさにアウディEVラインアップの中核を成すモデルだ。

アウディのEVにおけるさらなる躍進を予感させるQ6 e-tron。アウディ ジャパンのブランドディレクターであるマティアス・シェーパース氏へのインタビューを交え、その魅力をお伝えしていきたい。

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©Audi

ディーラーを訪れ、この新型モデルに接したとき、われわれは何を感じるべきだろうか? シェーパース氏は、EVが日本にいかにマッチするかを強調したうえで、今回の主役、Audi Q6 e-tronの魅力をこう語る。

「まずはデザイン、そしてプレミアムブランドならではのディテールまで貫いたクオリティーを感じてください。特に今回、前後のライト類にもこだわりながら、SUVとしてのスタイリングを磨き上げています。また、運転席などシートに座っていただけば、インパネの各パネルなど、インテリアの新しさや快適さが瞬時に伝わるはずです」

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©Audi

力強くダイナミックなシルエットに、シャープなラインと美しいエッジで創出されたコントラストを奏でるQ6 e-tronのエクステリア。なかでも、サイド後方にしつらえたquattro(クワトロ)ブリスターは巧みだ。アウディのデザインDNAが宿り、これを「テクノロジーの可視化」と表現しているが、卓越したパフォーマンスを視覚に鮮明に訴えてくる。

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世界初のライティングシステムも、新しさを見せつける。デジタルライトシグネチャーを装備する仕様では、マトリクスLEDヘッドライトに計61個のLEDセグメントを装備し、最大8パターンのライティングを選択可能だ。デジタルOLEDのリヤライトでは、計360のセグメントを備えた6枚のパネルを装備。専用開発されたアルゴリズムにより変化していく様は、先進を追求するアウディの新世代を担うモデルにふさわしい。

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©Audi

インテリアは、デザインと人間工学を巧みに融合し、各シートで快適を極めたスペースを創造。MMIパノラマディスプレイは湾曲のデザインで、ドライバーに向けて形成したフォルムが最適な視認性と操作性を生み出す。しかも助手席の前にも、MMIパッセンジャーディスプレイが採用され、映像の視聴も可能にする。

群雄割拠するプレミアムインポートモデルのなかから、アウディを選ぶ理由はクオリティーにある。改めてシェーパース氏に尋ねた。アウディの考える上質さとは何か?

120年クルマをつくりつづけてきたアウディのDNA、それは、まず安心して運転できること。クワトロシステムのもたらす安定感や、卓越したパフォーマンス、室内のクオリティなど、それらをEVである新型Q6 e-tronでも確実に実現しています。そのうえで、アウディだからこそ提供できるEVの価値として、充電施設の群を抜く利便性を挙げることができます」

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©Audi

アウディが日本で進める充電施設の充実ぶりは、確かに目を見張るものがある。プレミアム チャージング アライアンス(PCA)として、アウディ、フォルクスワーゲン、ポルシェといったブランドに、卓出した充電サービスが提供されている。そのうえ、7月からレクサスも加えた4ブランドで急速充電器の相互利用が可能になることが発表された。

しかし、レクサスも業務提携するほど、いったいPCAの何がすごいのか? その答えは、まず充電スピードだろう。国産が4050kWの出力が目立つなか、アウディではすべてのディーラーで150kW1台単独充電時)のパワーを持つ。また、都心の真ん中で、同時に4台の急速充電を可能にした「Audi charging hub 紀尾井町」を開設したが、今後も充電インフラの整備を積極的に拡充していく考えだ。近々、都心に国内2拠点目を港区・芝公園にオープンする予定となっている。

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©Audi

Q6 e-tronは、パフォーマンスもハイレベルだ。特に高性能なSQ6 e-tron360kW(ローンチコントロール起動時は380kW)のシステム最高出力を誇り、0100km/h加速はわずか4.3秒(ローンチコントロール使用時)でクリアし、最高速度は230km/hに達する。

一充電走行距離の長さも抜群で、83kWhバッテリーのモデルで569km100kWhバッテリーのモデルは644kmもしくは672kmの一充電走行距離を実現し、ロングドライブに対応する。また、150kW充電器において約35分という早さで、充電レベル(SoC)を10%から80%までに引き上げる性能も有する。

再生可能エネルギーの可能性の高さなどを認識する機会となる「Audi Sustainable Future Tour」をはじめ、日本で力を入れてきたアウディのサステナブルな取り組み。シェーパース氏はその先頭に立ってきたが、本気と言える姿勢を緩めない構えだ。充電施設やディーラーで積極的に再生可能エネルギーを用いることも進めてきている。

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©Audi

「内燃エンジンの時代は、電動化への移行期間を経て、徐々に終焉を迎えることを願っています。変わってしまった地球環境を、子どもたちにこのまま残せるはずがありません。われわれには責任があるはずです。再生エネルギーのポテンシャルも大きく、それを多くの人に伝え、仲間づくりもしていきたい」

ビジネスの側面もあると添えるが、自らこういった願いや価値観を持つシェーパース氏。リーダーの理想像がここにある。

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2月に新型A5S5、そして3月にこの新型Q6 e-tron(発売は4月)。オールニューの新車が立て続けにデビューしているが、「2025年はアウディ ジャパンの歴史を振り返っても類を見ないほど、数多くの最新モデルの導入を予定しています」と、シェーパース氏は1月にコメント。A6 e-tronQ5などの上陸が年内に控えていることもアナウンスされている。

「革新的な商品が続々と出てきたという驚きを、皆さんに実感していただけたら」と、今回のインタビュー取材を締めくくった。

革新的なエクステリアや、3枚のディスプレイなどを採用した快適なインテリアなど、多彩な魅力のQ6 e-tron。注目ポイントの多さは、価値が高い証しだ。その魅力をさらに実感するためディーラーにぜひ足を運んでみたい。「電気自動車を日本のユーザーにとって身近なものにしたい」というシェーパース氏の思いを裏付ける839万円からというプライスもまた見逃せないものだ。

Audiコミュニケーションセンター 0120-598106(9:00〜19:00)
https://www.audi.co.jp

Photograph:Takashi Sakamoto
Text:Haruhiko Ito (office cars)

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