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女子ゴルフでまた快挙! 23歳・西郷真央が海外メジャー初制覇……
3年前の深刻スランプ「+35」からの道のりとは。

2025.05.02

女子ゴルフでまた快挙! 23歳・西郷真央が海外メジャー初制覇……<br>3年前の深刻スランプ「+35」からの道のりとは。
写真:Imagn/ロイター/アフロ

日本女子プロゴルフ界でまた快挙が生まれた。23歳の西郷真央(島津製作所)が、今季海外メジャー初戦のシェブロン選手権(4月24日~27日、米国テキサス州カールトンウッズ・クラブ)を制した。挑戦2年目で待望の米ツアー初優勝であり、日本女子では史上5人目のメジャー優勝者となった。昨年のエビアン選手権で古江彩佳が、今大会で西郷が勝ったことで、「日本勢の海外メジャー全5大会制覇」が完了した。

5人によるプレーオフ1ホール目。1人だけバーディーを奪った西郷の優勝が決まり、普段は感情を見せない23歳の目から涙がこぼれた。

「夢にまで見たメジャーのタイトル獲得を(米ツアー)初優勝で実現させることができて、本当にうれしいです。信じられないです。最後は手どころか、全身が震えていました」

信じられないのは同感だった。2022年秋に彼女が経験したスランプは、見ているこちらも痛々しかったからだ。

同年、西郷は開幕戦から出場10戦で5勝を挙げる快進撃を見せた。その最中、首の寝違えが複数回あったことで「クビに負担のないスイング」を目指した。これが狂いを生じさせる。秋になり、日本女子オープンのラウンド中にショットの異変を感じた。その後はクラブを替えるなどして試行錯誤。そして、違和感がある状態で出場したツアー最終戦・JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップで、通算35オーバーをたたいてしまった。予選落ちのない試合で目を疑う4日間合計スコア。ドライバーショットを放つと、球は右45度にプッシュ。アイアンショットもコントロールできなかった。あまりの変貌ぶりに関係者からは「ショットイップスになったのでは」との声もあがった。

同試合後、シーズンオフに入ったが、西郷の「先の見えない感覚」は続いていた。

「練習して寝るまでもいろんなことを考えてというのが、すごく長かったです。開幕しても思うような結果も出ずで……」

師匠の尾崎将司氏からは「それが打てたら、大丈夫だ」と言われ、母親からも同じ言葉をかけられていた。2人からの「大丈夫」が支えになり、練習を継続。「嫌な感覚」を払拭するべく、球筋を本来のフェードではなくドローのイメージに変えることを発想した。これが奏功し、「納得いくショット」が多くなったという。

その結果、23年シーズンの夏場から復調。同年11月の伊藤園レディスで待望の6勝目を飾り、「これまでの5勝とはまた違った気持ち。成長して6勝目が挙げられました」と実感を込めた。

そして、米ツアーの最終予選会(Qスクール)を受験して突破。小学生の頃からあこがれていた舞台でのプレーが24年シーズンから始まり、日本勢では1990年の小林浩美(現日本女子プロゴルフ協会会長)以来34年ぶりに同ツアー新人賞の「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた。文字どおり「西郷真央、完全復活」を印象付けたシーズン、今季メジャー初戦でこれまでの努力が報われた形になった。

ゴルフは楽しくもあり、「怖いスポーツ」だ。自分にしかわからない感覚と向き合っていても、唐突にスランプに陥ることがある。それはプロアマ問わずで、復活できないままにツアーから押し出されたプロも少なくない。その恐怖感と闘い、西郷は「復活」→「メジャー制覇」の道を歩んだ。この事実は今、苦しんでいるプロたちの励みにもなったはずだ。

そんな復活劇の理由には、西郷の秀でたマネジメント力と小技の巧みさもあると考える。22年5月、ブリヂストンレディスで優勝した際、西郷はグリーン付近の風を読み切れないときの対処法について、「オーバーはしたくないで、あえてオンは狙わずにグリーン手前にボール運びます。寄せワンのパーでいいので」と話していた。この判断ができるのは、アプローチ、パットへの絶対的な自信があるからだ。尾崎は西郷について「ゴルフ脳はトップ」と話したことがあるが、スランプ時でもその能力失わず、小技は「いい状態」を保てていた。

とはいえ、悩み抜いてスランプを脱出し、大きな栄光を手にした意義は大きい。「夢だったメジャー優勝」。それを成し遂げて今後の目標が気になるが、西郷は貪欲だった。「まだメジャーは4つ残っています。世界ランキングも1位を目指したいです」。ジュニア時代からスイング動画をスマートフォンで撮って保存。気になった点はメモをしている。それは、本人も含めて日本勢13人が参戦中の最高峰・米ツアーで戦い抜くのに必要なこと。国内ツアーのレベルも、年々高くなっている。それも実感する西郷は、気を緩めずに次の戦いに向かう。

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