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FUJITAKA

バッグ

作家・池井戸 潤を魅了した、
国内最高峰の“技”ありバッグ。

2025.11.12

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右/ドイツの老舗タンナーによる上品な質感のレザーが魅力。縦35×横34×マチ10cm¥297,000
左/プライベートジェットの内装にも使われるレザーを使用。縦30×横23×マチ11cm¥63,800

男性にとってバッグはギアにしてパートナー。ベストセラーを連打する池井戸 潤氏のヘビーユースはメイド・イン・ジャパンの名品、フジタカのバッグだ。デザイン、使い勝手を高く評価しつつ、さらなる満足感のため、旗艦店でオンリーワンのオーダーメイドを体験した。

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池井戸 潤氏の作品はやはり面白い。魅力的なキャラクター、予測がつかない展開にページをめくる手は止まらず、最後には爽快なカタルシスを味わえる。数多くの映像化も読者の共感を呼んでいる証しだろう。そして多くの作品で描かれるのが、ものづくりの現場へのシンパシーだ。『下町ロケット』の佃製作所、『陸王』のこはぜ屋、『ルーズヴェルト・ゲーム』の青島製作所、またストーリー上は遠景であるが、半沢直樹の実家も町工場の設定。いいものをつくりつづけようとする信念、それゆえに見舞われる苦難と報われる勝利を描くドラマが、日本人の琴線に触れる要因に違いない。

描かれた物語はフィクションだが、そうした作風は作者のモノ選びともシンクロする。たとえばバッグ。池井戸氏が最近「いちばん愛用している」と語るのがフジタカのミニトートだ。肩から掛ける大ぶりなタイプが一般的だが、持ち歩くのがノートやペンケース、スマートフォンなど数点のため、よりコンパクトなサイズを探していた。なかなか見つからなかったが、百貨店でフジタカの製品に出合い、ひと目で気に入ったという。

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作家の仕事はオン/オフに明確な線引きがない。バッグも自然と両方に活用できるものが重宝する。

「必要なものが入ってかさばらない。サイズも日本人に合っていると思います」

フジタカというブランドは知らなかった。だがミニトートの購入以降、百貨店に行くとつい売り場に寄ってしまうほか、知り合いにもおすすめするほどお気に入りに。現在は小物も所有しており、どれも「つくりがいい」と称賛する。

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高い品質の背景には、商品企画、素材の選択、裁断や縫製をトータルで手がけていることがあるだろう。各部門のコミュニケーションも密で、共有された知見が各工程にフィードバック。徹底した自社生産が、国内最高峰とも呼ばれる完成度に結実している。

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東京のサロンとファクトリーをつないで打ち合わせ。「革は大切に長く使えるからいい」と語る氏だけに、素材の質感やカラー、細部の仕様に至るまで細かな希望が伝えられた。それに対して職人の方からさまざまな提案がなされ、まさにコラボレーションといった趣に。
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今回、池井戸氏は初めてバッグを誂(あつら)えることになった。東京にあるショップのサロンとファクトリーをオンラインでつなぎ、現在所有しているモデル(トップ画像左)をベースに、革の質と色合いから、ポケットやストラップといった細かな仕様までオーダー。小一時間のセッションの結果、理想的なカスタマイズの青写真ができあがった。

池井戸氏はフジタカの製品を通じ、あらためて日本人が持つものづくりの繊細さを感じている。

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「気が利いていますよね。ちゃんと使う人の目線に寄り添い、設計図になくても職人の裁量でアジャストする。他の国ではあまりないと思いますね」

メイド・イン・ジャパンの粋を集めたオンリーワンの逸品。ベストセラー作家の新しいパートナーを楽しみに待ちたい。

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池井戸 潤(いけいど・じゅん)
1963年、岐阜県出身。作家。作品に「半沢直樹」シリーズ、「下町ロケット」シリーズ、『空飛ぶタイヤ』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『俺たちの箱根駅伝』など。『かばん屋の相続』がWOWOWでドラマ化される。

FUJITAKA TOKYO
バッグ以外に小物や雑貨も並ぶ。
東京都台東区浅草橋2-5-1
03-3861-6276
11時~19時
日曜・祝日定休

問/FUJITAKA TOKYO 03-3861-6276

Photograph: Fumito Shibasaki(DONNA),
Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling: Hidetoshi Nakato(TABLE ROCK.STUDIO)
Text: Mitsuhide Sako(KATANA)

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